研究課題/領域番号 |
21K18213
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石原 達己 九州大学, 工学研究院, 教授 (80184555)
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研究分担者 |
Song Juntae 九州大学, 工学研究院, 助教 (10865348)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
25,740千円 (直接経費: 19,800千円、間接経費: 5,940千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2021年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
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キーワード | 光触媒 / バイオ触媒 / 物質変換 / アンモニア合成 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽光は、無限といってよいエネルギーで、効率よく、水素や有用な化合物へ直接変換できる触媒プロセスは、永続的な人類の発展という観点で、重要である。本研究では直接光エネルギーを化学エネルギーに変換可能という観点から、光触媒に着目し、新しいバイオ光触媒というコンセプトの創出を行う。本研究では、従来の無機光触媒ではバイオ触媒との複合は、バイオ触媒の寿命の観点から不可能と考えられてきた常識に挑戦し、酸化還元対で電荷を伝達することで、酵素を光触媒と組み合わせて、従来は進まないと考えられている多電子系の反応を行うことのできる新規なバイオ光触媒という概念を創出し、新しい学術領域に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究は1)無機光触媒の高効率化、2)バイオ光触媒の新しい反応の開拓、3)光電気化学セルへの展開という内容で検討した。1)ではエオシンYが良好な増感効果を示し、520nmの可視光に対するAQYが1.5%と高くなり、バイオ触媒と組み合わせ、犠牲剤存在下で水素発生のSTHが2.5%と高い値を示した。2)では新規反応としてニトロゲナーゼを用いるNH3合成を検討し、ニトロゲナーゼの大量合成を実現するとともに、NH3とH2の発生が可能なことを示した。3)ではTiO2を正極とした電気化学セルでの評価を行い、光照射下では0.1V程度の電圧を印加することで、MVの還元と酸素の発生が行えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、カーボンニュートラルエネルギー社会の達成が強く求められている。本研究では光エネルギーを直接、水素として固定するために、効率の高い光触媒として、バイオ触媒と無機触媒を組み合わせるというコンセプトで、通常は、平衡の制約がある反応で、平衡を超えて、大きな効率で水素やアンモニアを合成できることを示した。とくにアンモニアは現在、肥料として必要不可欠であり、エネルギー消費の大きいハーバーボッシュ法で作成されているが、今回、室温、常圧で、気相N2と水からNH3と水素が合成できる可能性を示すことができたので、今後は、さらに生成速度を向上することで、環境調和なアンモニア合成プロセスになる可能性がある。
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