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多彩な魚類レクチンを利用した新素材「レクチンシルク」の開発およびその応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K18225
研究種目

挑戦的研究(開拓)

配分区分基金
審査区分 中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
研究機関九州大学

研究代表者

杣本 智軌  九州大学, 農学研究院, 准教授 (40403993)

研究分担者 筒井 繁行  北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20406911)
小島 桂  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (40370655)
佐藤 充  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (90391565)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
キーワード魚類レクチン / 組換えカイコ / シルクタンパク質 / 新規タンパク質素材 / カイコ / 組換えタンパク質 / レクチン / シルク融合タンパク質 / 病原細菌 / 魚類 / シルク / 病原体捕獲デバイス
研究開始時の研究の概要

水中に生息する魚類は陸上動物よりもはるかに多様な生体防御因子を備えている。そのなかでも、糖結合タンパク質である「レクチン」は、驚くほど多様化しており、多くの魚類から様々なタイプのレクチンが同定されている。我々は、この多様なレクチンに着目し、水中に潜む様々な病原微生物を根こそぎ捕獲するデバイスの開発を試みる。遺伝子組換えカイコ技術によって作製されるシルク融合タンパク質は、糸状だけでなく、フィルム化、粒子化など容易に形状を加工することができる優れた素材である。本研究は、魚類レクチン融合シルクタンパク質「レクチンシルク」を開発し、魚類レクチンの微生物結合能力を人類の健康管理や産業の発展に利用する。

研究実績の概要

トラフグ由来のペントラキシン(PTX)、ネコザメ由来のC-typeレクチン(HjCL)とマダイのC1q-likeの3種類のレクチンをレクチンシルクの導入候補とした。昨年度までに、これらのレクチンとフィブロインL鎖融合タンパク質を発現するベクターを作製し、カイコ受精卵にマイクロインジェクションを3回実施したが、組換えカイコは得られなかった。本年度も組換えカイコの作出を継続して試み、854粒にマイクロインジェクションした結果、342頭が孵化し(孵化率40%)、75蛾区のG1を得ることができ、そのうちTG個体出現蛾区数が10(13.3%)であった(4回目)。続けて、895粒にマイクロインジェクションした結果、373頭が孵化し(孵化率41.7%)、56蛾区のG1を得ることができ、そのうちTG個体出現蛾区数が6(10.7%)であった(5回目)。4回目で、L01 、L02系統(それぞれPTX, HjCl)の2種の組換えカイコを取得、5回目のインジェクションで、L01,L02,L03系統(それぞれPTX,HjCl,Cq1-like)を取得することができた。これらを交配したG2世代の組換えカイコ由来の繭を臭化リチウムで水溶化させ、抗Myc-tag抗体および抗FibL抗体を用いたウェスタンブロッティングにより各レクチンシルクの発現を確認した。L01,L02およびL03系統すべてにおいて、それぞれのレクチンとフィブロインL鎖と合わせた分子量のバンドが得られた。以上のように、魚類のPTX、HjCLとCq1-likeが融合した新規タンパク質レクチンシルクの作製に成功した。次年度から3種類のレクチンシルクの細菌などの微生物に対する結合試験を実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

トラフグ由来のペントラキシン(PTX)、ネコザメ由来のC-typeレクチン(HjCL)、マダイ由来のCq1-likeレクチン(Cq1-like)を発現するシルクタンパク質「レクチンシルク」の作製に成功したことにより、当初の目的であるレクチンシルクを利用したデバイスの開発にとりかかることができる。

今後の研究の推進方策

作製できた3種類のレクチンシルクの性状試験を行う。我々の研究室で保持している10種類以上のグラム陽性菌と陰性菌を抗原として、レクチンシルクの結合性をELISAやウエスタンブロッティングにより評価する。菌への結合が確認された場合、ウイルスや寄生虫などの魚病細菌への結合も確かめる。病原微生物への結合が確認された場合、アフィニティーシルクで利用可能であるグラスウールをはじめ様々な素材に水溶化したレクチンシルクをコーティングし病原微生物を捕獲するかを評価する。最終的に濾過フィルターなどの素材、スポンジやカラムなど、実用的な形状の素材への利用を目指す。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 審査結果の所見   実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Development of a filter device for the prevention of aquatic bacterial disease using a single-chain variable fragment (scFv)-conjugated affinity silk.2022

    • 著者名/発表者名
      2.Prakash H, Sato M, Kojima K, Sato A, Maruyama S, Nagasawa T, Nakao M, and Somamoto T.
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 号: 1 ページ: 9475-9475

    • DOI

      10.1038/s41598-022-13408-6

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] アフィニティーシルクの養殖魚の感染症予防への応用2022

    • 著者名/発表者名
      杣本智軌, Harsha Prakash, 小島桂, 佐藤充.
    • 雑誌名

      アグリバイオ (北隆館)

      巻: Vol.6(10), ページ: 54-56

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] シルクタンパク質を利用した陸上養殖の感染予防システムの開発2024

    • 著者名/発表者名
      杣本智軌
    • 学会等名
      第3回公開シンポジウム 農林水産物の輸出促進開発プラットフォーム@九州・沖縄
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Preventing parasitic infections caused by Ichthyophthirius multifiliis: A novel approach with a single-chain variable fragment (scFv)-conjugated affinity silk filter device2024

    • 著者名/発表者名
      Harsha Prakash・Mitsuru Sato・Katsura Kojima・Akhil Kizhakkumpat ・Takahiro Nagasawa・Miki Nakao・ Tomonori Somamoto
    • 学会等名
      日本魚病学会春季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ハタ科魚類2種およびその交雑種の体表粘液レクチンとマハタハダムシへの影響2023

    • 著者名/発表者名
      榊原 舞・白樫 正・青木隆一郎・升間主計・中村 修・筒井繁行
    • 学会等名
      日本魚病学会春季大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Development of single chain variable fragment (scFv) conjugated affinity silk for the detection of Ichthyophthirius multifiliis2021

    • 著者名/発表者名
      Harsha Prakash・Mitsuru sato・Katsura Kojima・Atsushi Sato・Takahiro Nagasawa・Miki Nakao・ Tomonori Somamoto
    • 学会等名
      日本魚病学会春季大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-12-25  

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