研究課題/領域番号 |
21K18233
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 敬行 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90567760)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2023年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2022年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2021年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | リボソーム / 翻訳合成 / ペプチド医薬 / アミノキシ酸 / ヒドラジノ酸 / ペプチドミメティック / tRNA / 翻訳 / ペプチド創薬 |
研究開始時の研究の概要 |
リボソームはアミノ酸をアミド結合で連結することでペプチド鎖を伸長する。天然では20種類のL-α-アミノ酸のみが基質となるが、人工的にそれ以外の非天然アミノ酸を用いることもでき、これまでに様々なアミノ酸の側鎖の誘導体が利用されている。一方、主鎖骨格の誘導体を導入した例は非常に少ない。そこで、本研究ではリボソームの触媒能力を拡張して様々な非アミド結合性主鎖骨格の導入を実現することを目指す。そのためには、A)非天然アミノアシルtRNAの合成、B) 非天然アミノアシルtRNAのリボソームへの導入、C)リボソーム上での結合形成、の3点を検討する。
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研究実績の概要 |
リボソーム翻訳によって合成されるペプチドは通常20種類の天然型L-α-アミノ酸のみから構成される。ペプチド医薬は、従来の有機小分子医薬並みの低い分子量と抗体医薬に匹敵する高い特異性を併せ持つことから、新しい医薬品リード化合物として近年非常に注目されているが、天然型L-α-アミノ酸のみからなるペプチドにはペプチダーゼ耐性の低さや膜透過性の低さといった課題がある。リボソーム翻訳においては20種類のL-α-アミノ酸以外の非天然アミノ酸を基質とすることもでき、特にアミノ酸の側鎖の誘導体については既に様々なものが利用されている。一方で、主鎖骨格に変異を導入した例は乏しく、著しく困難ではあるが、もし実現できればアミド結合以外による主鎖骨格の形成も行うことができる。本研究代表者らはこれまでにリボソーム翻訳によるチオアミド結合形成の例を報告しているが、本研究ではヒドラジノアミド結合、オキシアミド結合等の導入を試みる。 昨年度までに、研究代表者らが開発した人工tRNA(Pro1E2)を用いて3種類のα-ヒドラジノ酸および6種類のα-アミノキシ酸を連続で導入することを実現しており、ヒドラジノアミド結合およびオキシアミド結合の形成を確認済みである。さらに、今年度はα-ヒドラジノ酸およびα-アミノキシ酸を含有するランダムペプチドライブラリの構築と複数の標的タンパク質に結合し阻害するペプチドのスクリーニングを行った。現在、スクリーニングによって得られたペプチドの結合活性・阻害活性・ペプチダーゼ耐性・膜透過性等の評価を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、初年度に既にリボソームによるヒドラジノアミド結合およびオキシアミド結合形成を確認済みである。2年目の今年度はこれらを含むランダムペプチドライブラリの構築に成功しており、これらのライブラリを用いた医薬品候補ペプチドのスクリーニングも当初の計画通り順調に進行している。また、並行してその他の結合形成実現に向けた条件検討も進行しており、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在進行中のα-ヒドラジノ酸およびα-アミノキシ酸含有ランダムペプチドライブラリを用いたペプチドのスクリーニングにおいては、得られたペプチド配列の化学合成と結合活性・阻害活性・ペプチダーゼ耐性・膜透過性等の評価を継続して進める。天然型のL-α-アミノ酸のみからなるコントロールペプチドとの比較も実施し、結合活性・阻害活性・ペプチダーゼ耐性・膜透過性等が相対的に向上することが確認できれば、ペプチド創薬の分野において大きなインパクトを与えられる。また、α-ヒドラジノ酸やα-アミノキシ酸以外の基質を用いた非アミド結合性主鎖骨格の導入については、アミノアシル化条件の検討や翻訳条件の最適化を継続して進める。
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