研究課題/領域番号 |
21K18241
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
菊池 義智 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30571864)
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研究分担者 |
伊藤 英臣 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70748425)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2024年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 共生 / 進化 / 微生物 / 複合適応形質 / 遺伝的基盤 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物との共生は多くの動植物に見られ、生物進化の原動力となってきた。これら共生微生物は高度な宿主特異性を示すが、その進化過程は複雑で今なおブラックボックスとなっている。我々はその謎を解く鍵が、微生物が稀に見せる「異宿主(本来の自然宿主ではない生物)への中途半端な共生」にあると考えている。最近我々は、カメムシ-Burkholderia共生系において再現性の高い中途半端な共生現象を発見した。本研究では、Tn-seqや遺伝子移植を通して中途半端な共生の遺伝的基盤を解明し、宿主特異性の進化過程を理解する。本研究は、注目度の低い中途半端な共生に進化生態学の光を当て、新たな学術的価値を創出するものである。
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研究実績の概要 |
「微生物との共生」は多くの動植物に見られる普遍的な現象であり、生物進化を駆動する原動力ともなってきた。これら共生微生物は高度な宿主特異性を示すが、その進化過程は複雑で今なお進化生態学・微生物学におけるブラックボックスとなっている。我々はその謎を解く鍵が、微生物が稀に見せる「異宿主(本来の自然宿主ではない生物)への中途半端な共生」にあると考えている。中途半端な共生は新たな宿主に適応するための初期段階とも捉えられ、特異性の進化過程を理解する上で極めて重要だと考えられるが、再現性が低いため研究の俎上に載せることが困難であった。しかし我々は、ホソヘリカメムシとBurkholderia共生細菌から成る昆虫共生系において、“再現性の高い”異宿主への中途半端な感染現象を発見することに成功した。本研究では、この独自の実験系を用いて中途半端な感染現象の遺伝的基盤を解明し、宿主特異性の進化プロセス・進化原理の統合的理解を目指す。 本年度はBurkholderia共生細菌に近縁で中途半端な共生をみせるParaburkholderia fungorumとPandoraea属細菌について、共生関連遺伝子の解析を進めるとともに、感染動態の詳細な比較解析を行った。その結果、Pandoraea属細菌は比較的早く狭窄部を突破して共生器官に到達するものの、共生器官の中でバイオフィルムを形成し盲嚢部位への定着が阻害されることが新たに明らかとなってきた。一方Paraburkholderiaは消化管前部でバイオフィルムを形成してしまい、共生器官への定着自体が遅れることが明らかとなった。また、走化性変異株の解析からは、何らかの誘引物質が共生器官から分泌されている可能性が強く示唆された。以上の結果は、これまで見えていなかった非共生細菌の感染動態の違いを明らかにしたもので、その進化史の推定において重要な成果と言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにPandoraea属細菌およびParaburkholderia fungorumについてTn-seq比較解析を進めつつあるが基盤整備が必要である。一方、共生細菌以外の非共生細菌がみせる感染プロセスの違いや、感染した共生器官の形態変化について多くの知見が蓄積しつつあり、共生関連遺伝子を特定するための多角的アプローチの結果が出始めている。
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今後の研究の推進方策 |
Paraburkholderia属細菌とPandoraea属細菌の感染動態や遺伝子発現の比較解析を進めることで、その共生進化のプロセスが総合的に明らかになると考え、引き続き研究を遂行する。
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