研究課題/領域番号 |
21K18246
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
阿部 郁朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (40305496)
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研究分担者 |
森 貴裕 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 准教授 (60734564)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 薬物代謝活性化 / 立体構造基盤 / プロドラッグ / 酵素 / 薬物代謝酵素活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
腸内細菌による薬物代謝活性化の分子基盤解明に挑戦する。ヒト腸内細菌メタゲノムライブラリーより、還元的C-C 結合開裂によりアンスロン二量体から単量体への代謝活性化を触媒する酵素を同定し、その性状と反応機構を明らかにする。一方、イソフラボンC-配糖体のC-C 結合開裂については、既に報告のあるヒト腸内嫌気性細菌の酵素複合体の結晶構造解析を進め、C-配糖体のC-C 結合開裂反応機構を明らかにする。こうした天然薬物プロドラッグの活性化機構を応用することで、ドラッグデリバリーの新たな方法論の開発など、これまでにない分子創薬・治療戦略の先鞭を付ける。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヒト腸内細菌による天然薬物プロドラッグの代謝活性化機構を取り上げた。生物活性の発現に重要な脱グリコシル化酵素の機能解析、構造解析を行い、立体構造、変異体に基づく反応機構の解明により、生体内においてイソフラボン類を吸収するための酵素的機構を明らかとした。エクオールをはじめとするイソフラボン類はその効果から特定保健用食品や健康食品にも利用されており、その吸収を促進する酵素の触媒反応メカニズムや生化学的特性を明らかとすることは、新たなプロドラッグ様化合物の創出や酵素の医薬品、食品添加などに対する利用へとつながり、薬学、食品化学の発展への貢献が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで腸内細菌による天然薬物のプロドラッグ代謝活性化機構の解明は未解決な問題として残されてきた。本研究により、分子レベルでの薬物代謝活性化の詳細なメカニズムが解明され、ヒト腸内共生細菌と薬物代謝の関わりを明らかにすることができ、学術的に大きな意義がある。また、自然界のこうした天然薬物プロドラッグの代謝活性化機構を応用することにより、ドラッグデリバリーの新たな方法論の開発などにも道を拓く。マイクロバイオーム研究を取り入れた分子創薬を中心とした学術や基礎科学の革新的進歩を引き起こすとともに、これまでにない分子創薬・治療戦略の先鞭をつけた。
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