研究課題/領域番号 |
21K18256
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
馬場 義裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20415269)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2024年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | IgG4 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫グロブリンIgG4はIgG4関連疾患、自己免疫、アレルギー、がん免疫との関連性が疑われているものの詳細は不明であり、その解明が急務とされている。そこで、本研究では、「ヒトIgG4産生マウス」および「完全ヒト抗体産生マウス」を新規モデルとして、IgG4陽性B細胞の活性化・分化機序とIgG4の病理的意義の解明を目指す。本研究はこれまで不可能だった生体内IgG4陽性B細胞の検証を可能にし、病原性または制御性抗体としてのIgG4の存在意義を示すだけでなく、様々な病態の理解や新規治療戦略につながる可能性がある。IgG4研究を切り口に、ヒト免疫応答の一端を理解できるが期待される。
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研究実績の概要 |
ヒトIgG抗体にはIgG1, IgG2, IgG3, IgG4のサブクラスが存在するが、IgG4に関しての知見は非常に乏しい。IgG4はFc受容体への結合の弱さ、補体活性欠如、Fabアーム交換による二重特異性の特徴がある。多臓器線維化を示す自己免疫性の「IgG4関連疾患」が発見され、IgG4抗体の病原性が国内外で議論の的になっている。逆に、IgG4が免疫を抑制する可能性が示唆されており、“病原性”および“制御性”抗体としてのIgG4抗体が脚光を浴びてきている。本研究課題では、「ヒトIgG4産生マウス」および「完全ヒト抗体産生マウス」を新規マウスモデルとして、IgG4陽性B細胞の分化・活性化機序と種々の疾患病態におけるIgG4の正負の制御を明らかにすることを到達目標とする。 今年度は、独自に樹立したIgG4産生マウスを用いて、IgG4陽性B細胞の分化誘導をin vitroおよびin vivoで行うことに成功した。免疫後の抗原特異的なIgG4+胚中心B細胞およびプラズマ細胞も検出することが可能となった。LATY136FマウスはIgG4関連疾患類似モデルとして知られるがマウスIgG1がヒトIgG4に対応するとみなしたモデルであった。g1-hIgG4:LATY136FマウスはIgG4陽性プラズマ細胞の増加が見られ、ヒト疾患に近いIgG4関連疾患モデルを樹立できた。また、完全ヒト抗体産生マウスにおけるIgG4陽性B細胞を同定することができた。しかし、人工染色体に挿入されたGFPが非常に強くフローサイトメトリー解析において他の蛍光に干渉するため、限られた蛍光色素しか使えないという問題に直面した。そこで、完全ヒト抗体産生マウスのGFPを欠損したラインを新たに作出した。さらに、オリジナルはICR背景であったため、より疾患モデル解析に向くC57BL6へとバッククロスを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに研究遂行し、期待した結果が得られている。遺伝子改変マウスの準備も滞りなく進んでいる。以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、g1-hIgG4マウスの性状解析とIgG4陽性B細胞の機能解析をおこなう。定常状態では、IgG4陽性B細胞は存在しないため、IgG4陽性B細胞の分化誘導をin vitroおよびin vivoで行う。さらに、IgG4産生プラズマ細胞、IgG4陽性胚中心B細胞への分化誘導能をIgG1陽性B細胞と比較検証する。次に、g1-hIgG4を用いて疾患横断的にIgG4の病理的意義を理解し、その作用機序の解明を目指す。モデルとして、IgG4関連疾患(IgG4-RD)、自己免疫疾患、がん、アレルギーを対象とする。この際、g1-hIgG4マウスはIgG1をヘテロ欠失しているので、コントロールとして独自に樹立したIgG1欠損マウスを用いる。IgG4は免疫応答の亢進と抑制、両方の側面の可能性があるので、その点を特に検証する。IgG4に特徴的な表現型が得られればそのメカニズムの検討を行う。ヒト化FcgRマウスの作出を計画していたが、予定を変更しDr. Jeff Ravetchが樹立したヒト型FcgRマウスを利用することとした。今年度、既に入手済みである。
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