研究課題/領域番号 |
21K18273
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
木村 航 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (60452182)
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研究分担者 |
清成 寛 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40721048)
魚崎 英毅 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90740803)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2022年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2021年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / 心筋再生 / 心筋細胞 / AMPK / オポッサム / 心臓再生 / 細胞周期 / AMPKシグナル / ミトコンドリア / 非モデル生物 / RNA sequencing |
研究開始時の研究の概要 |
心疾患は現代において最も重大な疾患の一つであり,新たな心筋再生法の開発は喫緊の課題である.ほとんどの哺乳類では,出生によって新生仔が子宮外環境に置かれることにより,心筋は器官形成期から成熟期へ切り替わり,心筋細胞が細胞周期を停止し心筋再生能が失われる.いっぽう同じ哺乳類でも有袋類は超未熟仔の状態で誕生し,器官形成の大部分を子宮外環境で行うため,出生のタイミングが器官形成から成熟への切り替わりと同調しない.本研究では,オポッサムとマウスの出生後の心筋発生・成熟,心筋再生能について比較する.それによりオポッサムに固有の心筋増殖能維持機構を同定し,新たな心筋再生誘導法確立の基盤を構築する.
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研究成果の概要 |
我々はマウスにおいて心筋細胞の細胞周期停止は,新生仔が出生後に子宮外環境へ暴露されることが引き金となって起こることを報告した.一方,同じ哺乳類でも有袋類は超未熟仔の状態で誕生し,器官形成の大部分を子宮外環境で行うため,出生が器官形成から成熟への切り替わりと同調しない.我々は,有袋類オポッサムでは心筋細胞増殖が出生後1ヶ月以上継続し,心筋再生能が出生後少なくとも2週間維持されることを見出した.また既存データベースを利用した遺伝子発現解析と薬理学的・遺伝学的介入により,オポッサム及びマウスの心筋細胞の細胞周期停止にAMPKシグナルが重要な役割を果たすことを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
われわれは出生後に心筋を再生する能力が失われる時期が異なる2種類の哺乳類動物,すなわちマウスとオポッサムとを比較することにより,これまでに明らかにされることがなかった進化的に保存されたシグナル伝達経路が心筋を再生する能力を制御していることを明らかにした.このシグナル伝達経路は新たな心疾患治療法のための標的になりうると考えられる.
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