研究課題/領域番号 |
21K18299
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
菅原 順 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (00357261)
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研究分担者 |
渡辺 由美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20425739)
菅生 康子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40357257)
樽味 孝 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40825858)
高島 一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (90357351)
浅原 亮太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90847584)
稗田 道成 九州大学, 医学研究院, 助教 (80739342)
九里 信夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10761299)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
25,870千円 (直接経費: 19,900千円、間接経費: 5,970千円)
2023年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
2022年度: 10,530千円 (直接経費: 8,100千円、間接経費: 2,430千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 加齢 / 動脈スティフネス / 認知症 / 動脈硬化 / トランスレーショナルスタディ / 運動トレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
動脈スティフネス(壁の硬さ)の増大と脳潅流異常及び認知機能低下の因果関係を明らかにし、認知症発症予防のための有効なリスクマーカーの同定を目指す。この目的を果たすために、ヒトと動物(げっ歯類およびサル)を対象に、以下の仮説を検証するトランスレーショナルスタディを行う。 仮説1: 過大な拍動性血流変動は脳血管の機能的損傷を引き起こす。 仮説2: 慢性の動脈スティフネス増大は脳血管機能及び脳構造変化と認知機能低下をもたらす。
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研究実績の概要 |
認知症対策は、健康の保持・増進、QoLの向上、さらには高騰する医療費・介護費抑制に直結する、不可避かつ喫緊の問題である。発症リスクの軽減による発症予防・遅延が最重要課題となっている。本研究では、動脈スティフネスの増大と脳潅流異常及び認知機能低下の因果関係を明らかにし、認知症発症予防のための有効なリスクマーカーの同定を目指す。この目的を果たすために、ヒトと動物(げっ歯類およびサル)を対象にトランスレーショナルスタディを実施する。 動脈スティフネスの増大と脳潅流異常及び認知機能低下の因果関係を明らかにするため、サルを用いたモデル動物作成のために引き続き準備を進めた。具体的には合計7頭の二ホンザルの胸部MRIを撮像し、必要なステントのサイズを調べて使用可能なステントについて検討した。また、頭部および頸部MRI撮像を行いプロトコルを検討した。げっ歯類においては、大動脈弓石灰化モデルラットの作製法を確立し、脳の神経結合をMRI解析した。その結果、コントロールと比べて海馬の神経結合に有意な変化を認めた。ヒトにおける検討では、幅広い年齢の集団において、加齢と脳血流および血管抵抗の関連性に明らかにした。また、脳血流に影響を与えるインピーダンスについて、習慣的な有酸素性運動実施の影響を検討した。介入後に、コントロール群に比べ運動群では、脳血管インピーダンスが低下し、その変化は、脳血流速度の変化と有意な相関を示した。これにより、有酸素性運動を行うことで、脳血管の緊張性が緩められ、それにより脳灌流が改善する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒトにおける研究に関しては、直接、及び方法の確立等で間接的に関連する論文成果が複数挙がっている。動物を対象にした研究でも、モデル動物の作成手法が構築できつつある。
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今後の研究の推進方策 |
モデル動物を用いた介入実験を行い、ヒトにおける研究成果と統合した検討を進める。
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