研究課題/領域番号 |
21K18304
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分61:人間情報学およびその関連分野
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
和田 安弘 長岡技術科学大学, 工学研究科, 理事・副学長 (70293248)
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研究分担者 |
大石 潔 長岡技術科学大学, 工学研究科, 産学官連携研究員 (40185187)
南部 功夫 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (40553235)
佐藤 貴紀 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (60840759)
矢野 昌平 長岡工業高等専門学校, 電気電子システム工学科, 教授 (90332006)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2024年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 自己想起型BCI / ニューロフィードバック / 仮想的脳内サウンド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は脳信号から外部機器を制御するBrain-Computer Interface(BCI)において、外部からの刺激による脳の応答を判断して器機を制御するBCIから、自分の脳の賦活状態を変更する自己想起によるBCIへの展開に貢献する。自己想起型BCI手法を実現するために、効率的なニューロフィードバック(NFB : Neuro FeedBack)手法の確立が重要である。本申請課題では脳内部に仮想的な脳内サウンドを定位させ、脳内への音刺激を利用した新奇なNFBシステムを開発し、自発的な脳の賦活領域の制御の訓練効率を向上させ、これまでの自己想起BCI実現上の壁を打ち破ろうと取り組む研究である。
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研究実績の概要 |
(1)フィードバック実験システムの構築:本年度は簡素な実験設定でのフィードバックの効果を検討するため、左右の音圧の割合を変更させた実験条件での行動実験ならびに脳波計測実験を行った。行動実験においては、左右の音圧の変化パターン(割合)を7通り用意し定位する位置を回答してもらった結果、隣接音で混同する可能はあるが、平均定位位置は音圧の割合に応じて定位していることを確認した。これに基づき、計測した脳波の左右の領域の違いを定量化して、音としてフィードバックするシステムを構築し、ニューロフィードバック実験を行った。しかし、その結果、脳波をうまくコントロールすることができず、常に同じ音のフィードバックが生成される結果となった。これについては、脳活動を単純な周波数パワーの総和から、機械学習に基づく解析結果出力に変更して精度向上を検討する。 (2)頭内音像定位音の作成:正確な音の定位感を得るため、頭部伝達関数を用いた頭内音の合成について検討を進める。 (3)高精度BCIに向けたデータ解析手法の検討:ニューロフィードバックを実施する際の精度を向上させるため、効率的アルゴリズムの考案や評価、実験設定による影響の検討を行った。公開データセットによる検証で、実験時の課題指示に関連した脳活動データが精度に与える影響を明らかにし(2023 IEEE access)、ニューロフィードバック実験でも注意が必要であることが示唆された。その他、アンサンブル学習等で事前データ取得なしに精度を向上させる研究を実施している。 (4)音圧変化に基づくBCI研究:音の空間情報に加えて音圧の変化を利用できる可能性がある。将来的に音圧変化を組み合わせることを考慮し、音圧の変化を検知するBCIの基礎検討を行い、1方向のホワイトノイズ音に対して音圧が大きすぎるときの状態を検知できる可能性を明らかにした(2024 Heliyon)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事前の実験において、被験者毎の脳内定位感の再現性等が低い結果を得たことで、研究計画を一部修正し、上記で述べたように、フィードバック実験システムの構築、頭内音像定位音の作成、 高精度BCIに向けたデータ解析手法、音圧変化に基づくBCI研究の検討を推進している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ニューロフィードバック実験を実施し、機械学習やNNを用いた解析によってフィードバックの精度向上を目指す。また、別途検討している頭内音像定位音の準備や予備実験を進め、ニューロフィードバック実験との組み合わせを考慮する。効率的な実験を進めるため、新規の脳波計の購入や計算機の購入も検討する予定である。データ解析手法の更なる検討や、VRを用いたニューロフィードバック実験システムの構築等も同時に進める。
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