研究課題/領域番号 |
21K18316
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研究種目 |
挑戦的研究(開拓)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
河原 成元 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (00242248)
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研究分担者 |
山本 祥正 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90444190)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)
2023年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2022年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2021年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
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キーワード | 天然ゴム / リサイクル / ネットワーク / ナノコンポジット / ナノ粒子 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノ粒子のゴム状ナノコンポジットをマトリックスとするネットワークポリマーを創製するため,ナノ粒子のゴム状ナノコンポジットを一つの相(マトリックス)とし,ゴム状ポリマーをもう一つの相とするナノ構造を形成することを目指す。このとき,ゴム状ナノコンポジットにおけるナノ粒子間の距離は10 nm以下とし,ナノ粒子とゴム状ポリマーとの間に分子間引力を作用させることにより,ゴム状ポリマーがナノ粒子同士を強固に接着できるようにする。これにより,架橋ゴムと同程度かそれ以上の物性として破断応力30 MPa以上を実現し,リサイクルの際に破壊されるナノ構造を再構築することを目指す。
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研究実績の概要 |
ナノ粒子のゴム状ナノコンポジットをマトリックスとして形成することにより,架橋せずにリサイクルできるゴム状ネットワークポリマーを創製することを目的として研究を行った。令和5年度は,ナノ粒子のゴム状ナノコンポジットをマトリックスとするネットワークポリマーを作製し,混練機を用いて30 rpmで構造を破壊してから金型に充填し,加熱プレスにより成形した。ナノマトリックスに存在するナノ粒子の直径が10 nm以下の場合,ナノ構造は完全に破壊され,ナノ粒子は天然ゴム中に均一分散した。一方,ナノ粒子の直径が50 nm以上の場合,ナノ海島構造は残存することが確認された。とりわけ,ナノ粒子としてポリスチレンを用いた場合,成形加工できることが示唆された。 研究期間全体を通じて,天然ゴムおよびポリイソプレンを用いて,ビニルモノマーをグラフト共重合することにより調製した有機系ナノ粒子,ナノダイヤモンドおよびシリカナノ粒子等の無機系ナノ粒子,アルブミン等の生物系ナノ粒子を用いてナノ粒子のゴム状ナノコンポジットをマトリックスとするネットワークポリマーを創製した。ナノ粒子間距離を制御する方法として有機系ナノ粒子およびシリカナノ粒子をハイブリッドすることによりナノ海島構造を形成した場合,破断応力の値は約24 MPaになった。有機系ナノ粒子またはシリカナノ粒子だけを用いてナノ海島構造を形成した場合,破断応力の値は約10 ~18 MPaであったことから,ナノ海島構造を形成するために有機系ナノ粒子とシリカナノ粒子をハイブリッドすることにより示された24 MPaという破断応力の値は画期的な成果であるといえる。ポリスチレンナノ粒子(サイズが50 nm以上)のゴム状ナノコンポジットをマトリックスとするネットワークポリマーは,混練した後,加熱プレスすることによりリサイクルできることが示唆された。
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