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近現代アートの保存・継承に向けた収蔵品情報管理・共有システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K18340
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分1:思想、芸術およびその関連分野
研究機関東京藝術大学 (2023)
昭和女子大学 (2021-2022)

研究代表者

田中 眞奈子  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (70616375)

研究分担者 小川 絢子  独立行政法人国立美術館国立国際美術館, その他部局等, 研究員(移行) (10786916)
塚田 全彦  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 教授 (60265204)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード近現代アート / 収蔵品情報管理・共有システム / 保存 / 収蔵品情報管理システム / ブロックチェーン・テクノロジー
研究開始時の研究の概要

近現代アートは、素材の脆弱性や複雑性、表現形態の多様性などから、保存・継承において多くの深刻な問題をはらんでいる。海外では、修復に用いる材料・技術、作家の修復についての考え方等、将来的に必要となる情報を作品購入時に調査・記録すると共に、それらの情報の消失や改竄を防ぐ新しい収蔵品情報管理・共有システムの構築が進んでいる。本研究は、対応が急務なこの問題に学際的なメンバーで多角的に取り組み、ブロックチェーン・テクノロジーの活用も検討しながら日本における理想的な近現代アートの収蔵品情報管理・共有システムを構築する。成果をシンポジウムで広く公開すると共に学術研究拠点INCCA JAPANの設立も目指す。

研究実績の概要

近現代アートは、素材の脆弱性や複雑性、表現形態の多様性などから、保存・継承において多くの深刻な問題をはらんでいる。本研究は、日本における理想的な近現代アートの収蔵品情報管理・共有システムの構築に向け学際的なメンバーで多角的に議論・検証することを目的とする。
3年目となる今年度も、保存科学者、保存修復家、現代作家、学芸員による学際的な研究メンバーで、近現代アートを所蔵している福岡アジア美術館を訪問し、収蔵品情報の形式・保存システム、収蔵の際の工夫等について詳細な調査を実施した。近現代アートの保存・修復上の問題事例も共有し、将来的にどのように対応していくべきか議論した。現代アートも多く所蔵・展示している太宰府天満宮宝物殿館も訪問した。更に、日本で収蔵品情報管理・共有のためのシステムや支援サービスを提供している民間企業の大日本印刷株式会社と凸版印刷株式会社の担当者にヒヤリングを行い、最新の取り組みやNFTをはじめとする先端技術の日本における普及・活用状況についても議論した。
日本での調査を踏まえ、海外の最新状況について学ぶため、来日中だったGetty Research Institute(GCI)Rachel Rivenc氏による講演会「Contemporary Art and Archives」を東京藝大で開催した。日本の近現代アートの保存・アーカイブの関係者達も多く参加し、INCCA JAPAN設立に向けた意見交換も行えた。研究メンバーでオランダを訪問し、アムステルダム国立美術館、ボイマンス美術館Depo、アムステルダム博物館、ステデリック美術館における収蔵品情報の具体的な管理方法について調査・ヒヤリング出来た。アムステルダム国立美術館Robert van Langh氏の来日にあわせてクローズドセミナー「オランダにおける文化財保存の最新動向」を国立西洋美術館講堂で開催した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

今年度も学際的な専門家達で近現代アートもしくは近現代アートに似た素材による作品を所蔵する国内の主要博物館(福岡アジア美術館、太宰府天満宮宝物殿館)や、収蔵品情報管理・共有のためのシステムや支援サービスを提供している民間企業(大日本印刷株式会社、凸版印刷株式会社)への調査を実施することが出来た。近現代アート作品を収蔵・管理する側と、システム・サービスを提供する側の両方の視点から、課題や実際に収蔵品情報管理・共有システムを構築する時の工夫や特徴などについて検討した。また、NFT(ブロックチェーン・テクノロジー)の最新の動向や応用の可能性についても議論した。今年度は更に、海外の事例収集も積極的に行うことが出来た。具体的には、Getty Research Institute(GCI)のRachel Rivenc氏による講演会「Contemporary Art and Archives」を6/27(火)に東京藝大で開催するとともに、アムステルダム国立美術館Robert van Langh氏他によるクローズドセミナー「オランダにおける文化財保存の最新動向」を3/18(月)に国立西洋美術館講堂で開催し、欧米における近現代アートの保存修復ならびに収蔵品情報管理(アーカイブ)・公開についての最新の動向を学び議論する機会を設けることが出来た。INCCA JAPAN設立に向けた国際的なネットワークの構築につながった。収蔵品情報管理・共有システムの整備に力を入れているオランダを研究メンバーで訪れ、アムステルダム国立美術館、ボイマンス美術館Depo、アムステルダム博物館、ステデリック美術館における具体的な対応について調査・ヒヤリング・意見交換を行った。近現代アートの保存・修復、収蔵品情報管理において日本でも将来的に課題になるであろう様々な点について検討・議論することが出来た。

今後の研究の推進方策

本研究の目的をより精緻に達成するために、国内外の関連機関や専門家への調査を行うと共に、日本における理想的な近現代アートの収蔵品情報管理・共有システムの構築に向け、学際的なメンバーで議論・検証を行う。具体的には、ベネッセアートサイト直島(福武財団)等を訪問し、収蔵品情報管理・共有システムの最新の状況の調査・ヒヤリングを行う計画である。また、関連する学会・国際会議に出席し、情報収集とネットワークの構築を行い、INCCA JAPANの設立にむけた準備を進める。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 学会発表 (1件) 学会・シンポジウム開催 (2件)

  • [国際共同研究] Getty Research Institute(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Rijksmuseum(NICAS)/Museum Boijmans/Stedelijk Museum(オランダ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [国際共同研究] Getty Research Institute(米国)

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 明治期の浮世絵に用いられている色材と技法 ―小林清親作『清正勘気を免し賜ふ』と『威海衛鹿角嘴砲台攻撃之図』」の分析調査報告―2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉 菜央・田中 眞奈子
    • 学会等名
      文化財保存修復学会第44回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] クローズドセミナー「オランダにおける文化財保存の最新動向」2024

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 講演会「Contemporary Art and Archives」2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-12-25  

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