研究課題/領域番号 |
21K18342
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 多摩美術大学 |
研究代表者 |
金沢 百枝 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (10548001)
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研究分担者 |
河島 思朗 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80734805)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | エトルリア / ローマ / ロマネスク / 神話 / 美術 / ランゴバルド / 文学 / ギリシア |
研究開始時の研究の概要 |
ローマに先立つ先進的な文明をイタリア半島中部に築いたエトルリアは、地中海交易で主要な役割を担い、南部のギリシア諸都市との交流によって、文字や神話、建築など文化的要素を吸収、独自の文化を築いた。その後、エトルリア文化圏を支配したローマは、 エトルリアの社会制度や宗教儀礼、都市設計などを吸収したとされる。ローマ帝国がキリスト教化されると、中世をとおしてローマ文化はゆるやかに変容していったが、古代世界への憧憬は続き、ロマネスク美術を開花させた。本研究では、エトルリア、ローマ、ロマネスクという文化的連続性に着目し、その受容と変遷を検証して、従来とは異なる視座をもって新しい研究分野の礎を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究はエトルリア、ローマ、ロマネスクへとつづく文化的連続性に着目し、その受容と変遷を検証することで、当該地域における文化理解に従来とは異なる視座を提示するとともに、新しい研究分野の礎を構築することを目的とする。 本年度は、研究代表者の金沢は、3月に主にエトルリア文化圏であったトスカーナのロマネスク聖堂を実地に見る機会を得、村の名前にエトルリア語が残っている場合でも、聖堂美術についてはより後代のランゴバルド文化の影響を強く感じた。また3月であったので申請は間に合わなかったが、ローマではエトルリア美術を実地調査した。ロマネスク美術は従来、ロマネスクはローマ建築を模した建築様式とされているが、美術においては「ローマ」が手本だったのか可能性については、ランゴバルドという新たなテーマを見出した。また10月に別の科研費を用いて調査を行ったローヌ川流域にもエトルリア遺跡があり、今後は、イタリア国外にも目を向けてゆきたい。 分担者の河島は、神話・伝説に描かれる王政時代のエトルリア王の業績や共和政時代のエトルリア人文化の状況などを分析することにより、ローマにおけるエトルリアの影響を考察した。一方でギリシアの文化的影響も深く、その様相は文学的描写のなかに強く描かれる。それらの関係性について考察を深めることを本年度の重要な課題とした。これらの成果の一部は口頭発表するとともに、論文や単著などによって発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までの研究の進歩状況はやや遅れている。国内でおこなうことのできる研究についてはおおむね順調に進んだが、新型コロナウィルスの影響と航空運賃の高騰、ヨーロッパの物価高騰と円安のため、予定していたイタリアでの資料収集や実地調査を十分にはおこなうことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、航空運賃の高騰や物価高騰に備えて、基金を繰り越したため、可能な限り渡欧して研究をおこないたい。
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