研究課題/領域番号 |
21K18343
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分1:思想、芸術およびその関連分野
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
河野 哲也 立教大学, 文学部, 教授 (60384715)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | アフリカ哲学 / 世界哲学 / 環境哲学 / SDGs / 比較文化 / 人種差別 / 反植民地主義 / エスノフィロソフィー / 反アフリカ主義 / ウブントゥ / アフリカ現象学 / 知の三点測量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は以下のような計画に基づいている。第一に、日本ではこれまでほとんど知られていなかったアフリカの現代哲学を、日本の哲学思想界に導入することである。この空白を埋めることが第一の意義である。第二に、アフリカ哲学の導入により、現在の日本の哲学思想界の枠組を変えられることである。西洋でも東洋でも中東でもない場所からの哲学的問いかけは、それらの研究に対照すべき第三項をもたらす。第三に、世界的に見れば、アフリカ哲学は、アフリカ人か、あるいは欧米の少数の白人による研究に限られている。そこで、日本からの比較研究は、アフリカ哲学研究に新しい視座を与え、研究に世界的な広がりを与えられるだろう。
|
研究実績の概要 |
本研究は以下のような計画に基づいている。第一に、日本ではこれまでほとんど知られていなかったアフリカの現代哲学を、日本の哲学思想界に導入することである。第二に、アフリカ哲学の導入により、現在の日本の哲学思想界の枠組を変えられることである。第三に、アフリカ哲学について日本からの比較研究を行い、アフリカ哲学研究に新しい視座を与え、研究に世界的な広がりを与えることである。研究方法としては、文献研究、国内外研究機関での情報収集、海外研究者招聘による学術交流といった哲学思想系の研究方法を基本とする。 このために、2022年度は、環境哲学とSDGsに関わる倫理的諸問題をテーマにして、大きく以下の三つの研究と調査を行なった。第一に、5月の日本哲学会インターナショナルセッションでシンポジウムを企画し、T. S. Boni博士 (University of Abidjan) とM. Perina 博士(University of Massachusetts)を招聘し、オンラインで「アフリカーナ哲学への招待」というシンポジウムを実施した。第二に、9月に、すでに交流のあったF.Aryee氏をガーナから日本に招聘し、首都圏と東北の各地で環境倫理学に関する講演会と授業を行ってもらうと同時に、その訪問地で、とくに海洋汚染に関する訪問調査を行なった。第三に、12月末から1月初頭に、ケニアのナイロビとその周辺を訪問し、ケニヤッタ大学、マウント・ケニヤ大学を訪問し、環境問題やSDGsに関する調査・研究・交流計画に関する会議を行なったのと同時に、ナイロビ市のスラムでのSDGsに関わる調査、近郊のマサイ人集落を訪問し、環境問題に関する聞き取りを行なった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文献的な研究は予定通りに進めてきたが、2022年度前半までは、コロナ禍のせいで研究・調査交流や海外大学・施設の訪問がままならず、その点が研究の進行を遅らせたが、2022年度後半には、9月にF.Aryee氏の招聘による環境哲学の問題に関する交流、12月末-1月初頭にケニアのナイロビを訪問して、同じく環境問題の調査と研究交流が行えたので、これまでの遅れをある程度取り戻すことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度は、ようやくコロナ禍が本格的に終了するため、とくにカリブ海におけるアフリカン・ディアスポラの哲学と思想の調査をするために、これまで難しかったアフリカ研究に関連する海外の大学や施設へ訪問する機会を二度ほど作ることにする。そして最終年度として、アフリカ哲学に関する単著の執筆に注力し、報告書を取りまとめたい。
|