研究課題/領域番号 |
21K18363
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分2:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 京都市立芸術大学 |
研究代表者 |
滝 奈々子 京都市立芸術大学, 芸術資源研究センター, 非常勤講師 (70571553)
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研究分担者 |
池田 光穂 大阪大学, COデザインセンター, 名誉教授 (40211718)
牛島 万 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50306461)
冨田 晃 弘前大学, 教育学部, 准教授 (60361002)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 中央アメリカ / カリブ海 / 音楽 / 壁画 / 民族表象 / 先住民 / 感性 / エスノグラフィー / 感覚 / グアテマラ / プエルトリコ / ガリフナ / ホンジュラス / 感性のエスノグラフィーの書記法 / 感覚論 / 民族音楽学 / 中米 / ポピュラーカルチャー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中米グアテマラ共和国とプエルトリコ、ホンジュラスをフィールドとして、おもにマヤ系ならびにガリフナ民族とメスティソにおける音楽・ダンス・絵画や写真等の表象芸術を中心としたポピュラーカルチャー現象に焦点を当てた「感覚のエスノグラフィー」の記述法の開発に挑戦する。すなわち、従来の書記法に加えて「感覚のエスノグラフィー」という観点を取り入れ、先住民社会におけるポピュラーカルチャーとりわけ、音楽・食・絵画・写真・ダンスなどの民族表象が、外部社会との接続により様々な文化要素の世界循環するさまを、先住民社会ならびにその民族表象を受け入れる若者を中心とした感覚の語りや経験に焦点をあてて考察する。
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研究実績の概要 |
研究代表者の滝は2024年1月にグアテマラ共和国アルタベラパス県においてケクチ民族の祭礼音楽と女性支援のNGOグループを観察記録した。あわせて、首都においてサカプルテコ先住民のTuujal Rockのメンバーにインタビューをおこなった。彼らのアイデンティティ表象と音楽表現の深いつながりについて確認した。分担者の池田は2024年2月にプエルトリコのサンファンとポンセにおいて、サルサ音楽を中心に現地調査をおこなった。特にサルサの即興演奏であるソネオに焦点をあて、それらが、エルトリコの伝統音楽であるヒバロからプレナにいたる過程で政府が国民音楽として擁護しその発展に貢献していること、音楽形式にあるデシマ(十行詩)というスタンザ(詩連)でおこなわれる厳格な韻律のルールが、サルサにおいてはソネオと呼ばれる即興作詞のなかに反映されていることなどを見出した。牛島は、2023年8月にプエルトリコのサンファンで調査をおこない、レゲトン音楽とブラックネスについて、プエルトリコ大学の学生にアンケート調査や聞き取りをおこない、2つの学会発表をおこない、レゲトンとブラックネスに関する研究論文を公刊した。冨田は、2023年4月5月にベリーズ、グアテマラ、ホンジュラスのカリブ海沿岸の市町村を訪問し、壁画を中心とした視覚表象を、写真撮影し、収集をした。本年度は本研究課題の最終年度であるために、中間研究発表会をかねた2度の遠隔会議をおこなった。その中では、エスノグラフィーの従来の書記法に加えて「感覚のエスノグラフィー」という観点を取り入れ、先住民社会におけるポピュラーカルチャーとりわけ、音楽・食・絵画・写真・ダンスなどの民族表象が、外部社会との接続により様々な文化要素の世界循環するさまを描き出すための理論的枠組みを引き続き模索した。
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