研究課題/領域番号 |
21K18380
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
山本 裕二 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (00452699)
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研究分担者 |
足立 達朗 九州大学, 比較社会文化研究院, 助教 (00582652)
中久保 辰夫 京都橘大学, 文学部, 准教授 (30609483)
畠山 唯達 岡山理科大学, フロンティア理工学研究所, 教授 (80368612)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 磁性分析 / 土器 / 年代測定 / 産地同定 / 年代決定 |
研究開始時の研究の概要 |
考古学は、遺構・遺物より人類の過去を追究することを目的とする。土器を例に取ると、肉眼観察と実測により資料の形態的特徴や製作技術等を図化し、実測図「カタログ」と対照して年代や産地の比定を行う。比定の信頼性向上のため、新たな科学的手法として「磁性分析法」の導入と開発を試みる。日本古代を代表する土器資料が得られている布留遺跡を中心に資料の提供を受けて観察・分析を行い、有望な磁性指標を見出すことを試みる。
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研究実績の概要 |
考古学は、遺構・遺物より人類の過去を追究することを目的とする。土器を例に取ると、肉眼観察と実測により資料の形態的特徴や製作技術等を図化し、実測図「カタログ」と対照して年代や産地の比定を行う。比定の信頼性向上のため、新たな科学的手法として「磁性分析法」の導入と開発を試みる。土器資料の磁性は、同時代・同産地の資料間では類似し「指紋」として利用できる可能性がある。本研究では、日本古代を代表する土器資料が得られている布留遺跡を中心に資料の提供を受けて、考古学的観察と記録の後、磁性分析・胎土分析を行い、結果を統合分析することで「指紋」として有望な磁性指標を見出すことを試みる。
昨年度に引き続き、布留遺跡からの資料の計約50点を対象に、考古学的観察と記録を継続して実測図作成・写真撮影等を進めた。約20点の資料については、これらの作業が完了したため、磁気分析用と胎土分析用とに切り出しを行い、それぞれの分析に着手した。とくに磁気分析については、室温での磁気履歴曲線分析、室温~極低温での等温残留磁化着磁分析、室温および極低温で着磁した飽和残留磁化の温度変化分析、といった分析を進めた。あわせて、須恵器編年の基準遺跡群である陶邑窯跡群から提供を受けていた土器片の磁気分析も進めた。また、ひとつの生産窯から出土した土器片の岩石磁気パラメータ(各種磁性値)のばらつきを調べるために、香川県十瓶山窯跡群すべっと1号窯出土の土器について、磁気履歴・等温残留磁化獲得等の岩石磁気測定を行った。その結果、別途、測定・解析済みであった岡山県邑久窯跡群庄田工田窯跡出土土器の当該パラメータが非常にばらついていたのに対して、かなりの集中が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に、コロナ感染拡大に伴う所属機関の出張制限や学務増などのために、資料の選定・入手、その後の観察分析が遅れたが、その遅れが伝播したため。
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今後の研究の推進方策 |
布留遺跡資料について考古学的観察と記録を完了させ、磁性分析・胎土分析を本格的に進めることを目指す。
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