研究課題/領域番号 |
21K18382
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2022-2023) 帝京大学 (2021) |
研究代表者 |
押鐘 浩之 大阪大学, 大学院薬学研究科, 特任准教授(常勤) (10727283)
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研究分担者 |
植月 学 帝京大学, 付置研究所, 准教授 (00308149)
藤澤 明 帝京大学, 付置研究所, 准教授 (70720960)
上田 たかね 帝京大学, 医学部, 講師 (80459312)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 文化財科学 / 考古科学 / DNAバーコード技術 / DNAバーコーディング / aDNA / DNA考古学 / 土壌DNA / 考古学目的に最適化したDNA定量法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、考古資料に残留している核酸情報からの生物種同定における新規方法論の実証 に係り、①発掘現場での核酸の定量を可能にする方法論の実証、②経年変化により損傷したDNAを復元できる方法論の実証、および③その他核酸からの生物種同定法の確立を目的としており、限られた考古資料から最大限の情報抽出を可能にする新規方法論構築に関する研究である。本研究の実現により生物種の株・系統に至るまでの高精度な生物情報をもたらすと共に、生物種の時間的・空間的拡がりに対する理解を提供できることから、それぞれの時代における古食性や環境・文化・技法を現代に復元できる極めて有力な研究ツールとなることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は考古資料や文化財資料に含まれるDNAなどの生体情報を有する分子を標的とした新規分析法の開発と実証に関し、生体情報から当時の人々や地理的・年代情報、および技術を可視化することを目的としている。一般的に古いDNAからの情報抽出は技術的に難易度が高いが、本研究では環境中のDNAの直接的な定量法およびDNAバーコーディングを用いた方法論の構築に成功し、実証例として江戸時代~明治時代に制作された浮世絵で画材として用いられた膠のソースとなった動物種の同定を行い、当時の技術の一端を科学的に可視化することができた。本方法は古い資料の「可視化」に対し新しいアプローチを提供するものと期待している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文化や歴史は過去から現代に至るまでその長い時間の中で形作られ、人々も離合集散を繰り返してきたが、従来的な方法論ではその具体的な流れを知ることに限度があった。一方、昨今の生命科学の発展によりDNAを通した可視化が可能となってきており、考古学や文化財学における応用も為せる様になってきた。本研究では本研究グループで独自に開発したDNAを通した可視化技術の有効性について科学的な実証に成功した。本成果は人々がどの様に生き、どの様な文化を形成していたかについて継承する道筋の提供に貢献すると考えられ、今後の人文知を現代の科学技術を通して支援する方法論の学術的基盤の一端に発展することを期待している。
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