研究課題/領域番号 |
21K18385
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪学院大学 |
研究代表者 |
渡辺 千香子 大阪学院大学, 国際学部, 教授 (40290233)
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研究分担者 |
本郷 一美 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 准教授 (20303919)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ライオン / 古代西アジア / 狩猟 / アッシリア / 動物考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、古代西アジアのライオンは「インドライオン」と考えられてきた。しかし新アッシリア時代のライオン狩り浮彫には、異なる2種類のライオンが描き分けられ、ライオンの身体的特徴と連動して身体のサイズが異なることから、両者の違いは個体差ではなく、異なる亜種か品種であった可能性が浮上する。古代の文献には「平原生まれ」と「山生まれ」のライオンが登場し、ライオンを意味するシュメール語とアッカド語には2種類ずつの語彙がある。ここからこの地域のライオンが必ずしも単一種ではなく、未知のライオンが生息していた可能性が浮上する。本研究は古代西アジアのライオンの実態を、図像・文献・動物考古学の学際的視角から探究する。
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研究実績の概要 |
本年度5月から新型コロナ感染症の扱いが5類に移行したが、感染症自体は継続しているため、感染予防に留意しつつ活動を再開した。国際学会での発表を行ない、これまでの研究成果を論文化した。 ①前年度に打合せを行ったフランスの研究者(V. Vassal, M. Spruyt)が主催する学会(Le lion dans le pourtour mediterranéen, 2023年5月11-12日, パリ・カトリック大学)に招聘され、メソポタミアの浮彫に表現されたライオンの研究発表を行なった(渡辺)。またスプリュイ氏、マシュクール氏らと今後の共同研究の打ち合わせを行なった(本郷・渡辺)。 ②研究成果を論文化として、メソポタミアにおけるライオンの人工飼育の実態を文献資料に基づいて明らかにする論文(題名:Mesopotamian lions in captivity)を執筆し、L. Battini編集のThinking, Speaking and Representing Animals in the Ancient Near East: New Perspectives from Texts, Images and Archaeo-zoologyに投稿した。 ③5月に開催された学会(上記①)の論文集に、アッシリア王のライオン狩りで文献資料に記録されている王の獲物としてのライオン頭数を詳しく考察することにより王が行ったとされるライオン狩りの現実性を検討した論文を執筆し、V. Vassal and M. Spruyt 編集の論文集に投稿した(題名:Reality assessment of the numerical records of the Assyrian royal lion hunt)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
あ新型コロナ感染拡大による渡航自粛期間に予定していた海外調査を行なうことができなかった。本年度から5類変更になったが、感染自体は依然として存在するため、感染予防対策と遅れを取り戻すための努力の間にバランスが必要であるため。
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今後の研究の推進方策 |
パリの学会で形成した学際的な国際共同研究のネットワークを活かして、最新の考古調査や動物骨の分析に関する情報が得られるような態勢を整え、研究をさらに発展させていきたい。
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