研究課題/領域番号 |
21K18389
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分3:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
星野 安治 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (50644481)
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研究分担者 |
廣瀬 覚 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 室長 (30443576)
山口 欧志 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50508364)
木村 理 岡山大学, 文明動態学研究所, 助教 (10881485)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 年輪年代学 / 埴輪 / ハケメ / クロスデーティング / 同工品 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,近年,木簡の接合などで成果をあげている年輪年代学的同一材推定を,埴輪ハケメ痕跡の照合に応用し,埴輪同工品の抽出数を格段に増加させるとともに,ハケメの検討に客観的・定量的視点を導入し,古墳時代の考古学研究を飛躍的に進展させることを目指すものである。
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研究実績の概要 |
土器などの表面には,ハケメ(刷毛目)と通称される筋状の痕跡が認められ,中でも埴輪のハケメは,木製工具の木目の擦痕,すなわち年輪の痕跡であると考えられている。このハケメの照合は,埴輪流通の決定的証拠とされ,古墳時代の考古学研究に,今や欠かすことのできないものとなっている。しかし,その照合方法は,膨大な埴輪資料群について縮尺をそろえた写真や拓本を用いて直接比較し,ハケメの配列パターンを肉眼で識別するという極めてアナログな手法がとられ,特殊技能を要することや,客観性に欠けること,また検討数が限られるなど,様々な問題点が指摘されている。そこで本研究は,近年,木簡の接合などで成果をあげている年輪年代学的同一材推定を,埴輪ハケメ痕跡の照合に応用し,埴輪同工品の抽出数を格段に増加させるとともに,ハケメの検討に客観的・定量的視点を導入し,古墳時代の考古学研究を飛躍的に進展させることを目指すものである。 研究2年目の今年度は,昨年度から引き続く埴輪ハケメ痕跡の撮像を行うとともに,ハケメ写真を用いたハケメ幅の計測に力を入れた。今年度からは,研究分担者に岡山大学の木村理博士を追加して研究を推進したが,木村博士は日本の古墳時代を専門する若手の考古学研究者で,これまでにも様々な古墳から出土する埴輪のハケメについて考古学的な研究を進めている。木村博士がこれまでに調査したハケメ写真を本研究課題の検討に提供いただき,これについてハケメ幅の計測,ハケメ幅データの集積を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度から研究組織に加わった岡山大学の木村博士から,これまでに調査したハケメ写真を本研究課題の検討に提供いただき,これについてハケメ幅の計測,ハケメ幅データの集積を進めた。これにより,ハケメ幅データの集積が進み,また従来法での成果と本研究の成果とが比較できる基盤を築くことができたと言える。
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今後の研究の推進方策 |
ハケメ写真の計測を継続して進めるとともに,これまでに集積したハケメ幅データについて年輪年代学的同一材推定の手法を応用して,埴輪ハケメの照合を行う。検討には,年輪解析ソフトウェアを用いるが,このソフトウェアでは,計測データをデータベース的に管理することができ,登録したデータ総当りでの相関分析を半自動的に行うことが可能である。そこで,計測した全てのハケメ幅データを登録し,年輪年代学的な埴輪ハケメの照合を網羅的に実施できる環境を整え,埴輪ハケメの照合に客観的・定量的視点を導入する。
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