研究課題/領域番号 |
21K18394
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 麻衣子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (50431474)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 社会関係資本 / 社会ネットワーク / 共有資源管理 / 行動ゲーム理論 / 実験ゲーム / Community Development / 国際協力 / 南アジア / 公共財 / 共有資源 / Social Capital / Social Network |
研究開始時の研究の概要 |
Social Capitalの概念が提唱されてから久しいが、文脈によってSocial Capitalの効果の発現の仕方は多様であり、その役割を一般化しようとすることは、実践的活動においてはあまり有用ではないと考えられる。本研究は、開発途上国におけるCommunity DevelopmentにおいてSocial Capitalを有効に活用することを目標に、コミュニティにあるSocial Capitalの特質をより精緻に評価するため、Social Network、信頼に関する実験ゲーム、GISといった手法を統合的に利用した調査方法論の開発を行うことを目的とするものである。
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研究実績の概要 |
開発途上国では、コミュニティに導入された設備が上手く維持管理されず放棄されることが少なくない。こういった公共財や共有資源の維持管理にはローカルなSocial Capitalが大きく影響を及ぼすことが予想される。これに対して、本研究課題ではコミュニティにあるSocial Capitalの特質をCommunity Developmentの文脈で包括的に調査・分析し、より精緻に評価することで、Social CapitalをCommunity Developmentに活用することを目的に調査方法論の開発を行おうとするものである。 2022年度に調査を実施したバングラデシュのクルナ市にある3つのスラムにおける飲料水や共同トイレの整備といったWaSH(Water and Sanitation and Hygine)に関する参加型開発のプロジェクトについて、共同トイレの維持管理に関して成果をまとめた論文を公表した。ここでは、Social Capitalを測定する一般的な質問と、行動ゲーム理論における互恵性等の指標、および社会ネットワーク指標から、コミュニティの特質を総合的に評価する調査方法論を提示し、プロジェクトの成否との関連について考察した。プロジェクトが成功しているスラムでは衛生に関する知識は他のスラムよりも低い一方で、強い社会規範があることが示された。他のスラムでは、ジェンダーによる行動制約や中心的な人物のコミュニティに対する信頼の低さなども、集合的な協力行為を阻害する要因となっていることが示唆された。 予定していた3ケースのうち、残り2ケースについて、現地協力者の協力のもと情報収集を行い、対象事例を選定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスによる渡航制限と、調査補助を依頼する予定であった現地協力者の都合が付かなかったため、進捗は大幅に遅れている状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた3ケースのうち、調査が完了した1ケースについては、公共財ゲームの実験の結果等についても分析を行い、論文執筆を進める。残り2ケースについては、現地協力者のもと予備調査を行い、対象事例を選定した。2024年度に調査を行う予定である。
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