研究課題/領域番号 |
21K18400
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
與倉 豊 九州大学, 経済学研究院, 教授 (70586552)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 都市システム / 再開発 / ネクサス構造 / イノベーション / 特許 / 都市 / 産業集積 / 関係論的経済地理学 / 地理的ネクサス / 企業間関係 / 都市間関係 |
研究開始時の研究の概要 |
「ネクサス」は,地域で構築される多様な関係性を束・連鎖として捉える概念装置であり,複数のネットワークを検討するための分析枠組みを提供している.ネクサスの研究成果と,ローカル,リージョナル,ナショナルといった重層的な空間性を重視する,関係論的経済地理学の成果とを接合させ,「地理的ネクサス」概念を定置することにより,ネットワーク間の相互作用関係を評価するための理論的・方法論的枠組の構築が可能になる.
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研究実績の概要 |
本年度は鹿児島市を事例として伝統的な中心商店街、駅前の再開発地区、新興商業地である郊外部との競合関係を把握し、地方都市の小売業の立地展開を九州新幹線開業に伴い活発に進展する再開発事業の展開と関連させて検討した。分析の結果以下のような知見を得た。九州新幹線開業に伴う鹿児島中央駅周辺の再開発進展を契機として,伝統的な中心商店街である天文館地区への商業の一極集中が解消され,さらに郊外部の商業集積の台頭もみられたことから,鹿児島市では多極的な商業集積が生まれていた。鹿児島市の商業系再開発事業の展開をみると,建物の老朽化に伴う商業機能の低下が課題であった鹿児島中央駅周辺では,地権者の合意形成が得やすい街区単位での再開発事業が先行的に進展し,商業機能と居住機能が融合した都市型居住空間の形成が実現された。また都市計画道路を整備するなど行政の積極的な関与によって,駅ビルと駅前商店街との回遊性が向上したことで,商業集積が高度化していることが推察された。天文館地区では百貨店の撤退など商業機能の低下が深刻化するなか,地場企業主導の再開発事業により商業機能の維持が図られたことに加えて,公的不動産を活用した文化商業複合施設の新設や,図書館のような公益施設の再開発ビル内への整備などによって,伝統的な中心商店街のにぎわいを維持するための試みが公民連携でなされている。今後は商業集積間の連携による広域的な商業集積の高度化の実現が期待されることが明らかになった。以上の成果を、査読付き論文として投稿中である。また昨年度に引き続き福岡市における都市型産業の空間構造を検討し、最新の統計データを用いて地図化を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本の都市システムの再検討を行う予定であったが、地方銀行の本店、支店に関するデータ入手および入力に多大な時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
進捗途中のデータ入力を引き続き行い、2024年度中に都市システムの研究を完了予定である。
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