研究課題/領域番号 |
21K18403
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分4:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
高橋 洋 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 助教 (50397478)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 年々変動 / 時間フィルター / 台風 / 熱帯低気圧 / 熱帯擾乱 / 降水量変動 / アジアモンスーン |
研究開始時の研究の概要 |
熱帯低気圧とは、台風に満たない熱帯擾乱と台風の総称である。熱帯低気圧の研究では、熱帯低気圧の中で非常に強い台風のみが集中して研究されており、大多数である台風に満たない熱帯擾乱についての研究は少ない。特に、熱帯域の降水量変動への寄与という視点では、数が多い熱帯擾乱の寄与は大きいと考えられる。本研究では、熱帯擾乱がどの程度年々変動を支配しているのか、その地域性を含めて研究する。
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研究実績の概要 |
熱帯低気圧とは、台風に満たない熱帯擾乱と台風の総称である。熱帯低気圧の研究では、熱帯低気圧の中で非常に強い台風のみが集中して研究されており、大多数である台風に満たない熱帯擾乱についての研究は少ない。特に、熱帯域の降水量変動への寄与という視点では、数が多い熱帯擾乱の寄与は大きいと考えられる。本研究では、熱帯擾乱がどの程度年々変動を支配しているのか、その地域性を含めて研究する。 まずは、弱い熱帯低気圧を検出するために、その手法を検討した。近年の高解像度の大気の再解析データをいくらか準備して解析した。時間方向にフィルターを施した風速などを用いて、しきい値を調整することで比較的簡単に熱帯擾乱を検出できそうであることがわかった。一般風が強い地域でも、時間フィルターにより、擾乱成分を検出することができそうである。しきい値をどのように決めるかは、今後の課題である。また、誤検出があるかどうかについても、今後確認する。 また、応募から採択までの期間に、関連論文を出版した。西太平洋域の熱帯擾乱活動について、擾乱活動度エネルギーを用いて解析を行い、熱帯擾乱活動の経年変化を明らかにした。熱帯擾乱活動の経年変化は、太平洋高気圧の強さなど、他の気候変動要素との整合性が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
弱い熱帯低気圧の研究をするために、弱い熱帯低気圧を検出する方法を検討した。東西風及び南北風に時間フィルター(6時間値に対して、ハイパスフィルターか、バンドパスフィルタ-)を適用することで、擾乱成分を抽出できる。それを用いて比較的容易に、熱帯擾乱を検出できる可能性があることがわかった。今後は、それをどのように解析するのかを検討する必要がある。 また、できるだけ少なく、一般的に入手しやすい物理変数で、シンプルな手法であれば、高解像度シミュレーションや、大規模アンサンブルのようなビッグデータにも適用できる可能性があり、有意義である。また、他との比較も容易であると考えられる。 また、応募から採択までの期間に、関連論文を出版した。西太平洋域の熱帯擾乱活動について、擾乱活動度エネルギーを用いて解析を行い、熱帯擾乱活動の経年変化を明らかにした。熱帯擾乱活動の経年変化は、太平洋高気圧の強さなど、他の気候変動要素との整合性が確認された。
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今後の研究の推進方策 |
弱い熱帯低気圧を検出するために、時間方向にフィルターを施した風速などを用いて、しきい値を調整することで比較的簡単に熱帯擾乱を検出できそうであることがわかった。一般風が強い地域でも、時間フィルターにより、擾乱成分を検出することができそうである。しきい値をどのように決めるかは、今後の課題である。また、誤検出があるかどうかについても、今後確認する。 今回検討中の手法をもとにして、実際の熱帯擾乱活動の年々変動などの解析を行う。解析時に問題があれば、手法に立ち返り、再度手法の検討を行う。 また、これまでに利用されてきた、より複雑な方法と比べて、今回の手法がどの程度の精度があるのかについて、検討する。比較が可能な強い熱帯擾乱(台風)を対象に、今回の方法を適用し、複雑な方法との違いを明らかにする。
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