研究課題/領域番号 |
21K18419
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分6:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
滝澤 克彦 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (80516691)
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研究分担者 |
コンペル ラドミール 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (90528431)
伍 嘉誠 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (90808487)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | エスニック・リスク / マイノリティ / テロリズム / 暴力 / エスノスケープ |
研究開始時の研究の概要 |
グローバル化が進展し情報技術の発達した現代社会においては、憎悪や反感を伴う他者に対する負のイメージや言説が、グローバルな規模で容易に共有されるようになり、マイノリティに対する暴力やテロリズムなどは偏在的かつ極めて予測不可能な形で発現するようになっている。本研究プロジェクトでは、このような新たな脅威について、政治学、社会学、宗教学を専門とする学際的研究チームが、過去に起きたテロリズムや潜在的危険性を有する社会を対象とした調査研究を行った上で、紛争研究や国際開発論などを専門とする幅広い研究者との情報交換や議論を通して、学際的・国際的な研究協力体制を構築する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、各メンバーが引き続き担当地域・テーマについての調査研究を継続するとともに、本テーマに関連する海外研究協力者との情報交換を行った。 滝澤は、現在のモンゴル国におけるエスニック・リスクとしてのナショナリズムの高まりについて文献資料を中心とする調査を継続すると同時に、外国に生活するモンゴル人のコロナ禍におけるヘイト・クライムの状況について米国を中心に調査した。また、日本に生活する移民の孤立とそのリスクを、「マジョリティ」として措定される「国民」の宗教意識および民族意識と関連付けて考察する研究も行った。 コンペルは、軍事占領下におけるエスニック・リスクについての文献調査を昨年度に引き続き実施し、その成果を国内外の学会で発表した。また、コロナ禍の状況とも関連付けながら、気候変動にともなうリスクの状況についても考察した。 伍は、コロナ禍の香港におけるバイオポリティックスと宗教の関係をとり上げながら、危機的状況下におけるマイノリティへの脅威に対して宗教の社会活動がどのような意義をもちうるかを分析し、その成果の一部を国際学会で発表した。 2022年10月27日には、ガジャマダ大学のイクバル氏を講師に、インドネシアの宗教的マイノリティに対する脅威としてのイスラーム過激主義をテーマにしたセミナーを実施した。そこで、インドネシアのテロリズム団体が存続しながらも非暴力化してきた経緯の分析を共有し、他地域のケースとも比較しながら情報交換と議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響がいまだ残り、当初予定していた海外調査や国際外術交流を一部実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度までは、コロナ禍の影響で十分な調査や学術交流のための海外渡航を実施できず、オンラインを中心とした学術交流が中心となった。2023年度は、それを補いつつ、最終年度の研究成果とりまとめを行う。 メンバーは、それぞれの担当地域・テーマにおける調査を継続し、その成果を国際学会において発表する。 一方で、その他の地域におけるマイノリティへ向けられたテロリズム発生の経緯と背景、その波及的影響などについて海外研究協力者と情報交換しながら学術交流を深め、本研究の課題に関わる学際的・国際的議論のためのプラットフォームを構築する。
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