研究課題/領域番号 |
21K18438
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
桑原 美香 福井県立大学, 経済学部, 教授 (90405069)
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研究分担者 |
唐渡 広志 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (00345555)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 所有者不明 / 空き家 / 所有者不明土地(家屋) / 地域運営組織 / ロジスティック回帰分析 / 空き家特性 / 二項ロジスティック回帰分析 / 所有者不明土地 / 空き家・空地 / 空間計量経済学 / 公的施設の改廃・再配置 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで公共施設の維持補修・管理運営に関する研究を進めてきたが、公的施設やインフラの改廃・再配置は数十年後の居住状況を考慮すべきである。だが、この100年で社会・経済、とりわけ土地に対する価値観は大きく変わった。特に地方部では、人口総数が減り人口構成も歪む中で、私有財産である固定資産の今後の状況は予測し難しい。団塊ジュニア世代への相続が増加する数年以内に、空き家や耕作放棄地の問題は更に深刻化し、所有者不明土地や入会地の多数共有問題も顕在化する。相続登記の義務化や土地所有権の放棄等、法的整備は進みつつあるが、その実効性には疑問が残る。これらの課題を整理・可視化することが急務であると考える。
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研究成果の概要 |
本研究は、今後大きな問題となるであろう所有者不明土地(家屋)に焦点を当て、発生リスクの可視化と構造解明を行うことを主目的とした。 具体的には、今後所有者が不明になりそうな物件のリスク値を求め、その可視化を試みた。現行空き家の所有者情報についてはデータ入手に制約があり、外観特性からリスク因子を抽出した。これにより、腐朽や破損のある未接道の木造共同住宅において空き家発生確率が高いことが示された。さらに、地域特性も加味した結果、北陸地方では鉄筋/鉄骨コンクリート造の建物も木造と同じ程度空き家になる確率が高いこと、北海道や北陸地方では建物に接する道路の幅員は他地域と比べて有意ではないことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、所有者不明土地は九州の面積を超えており、相続人不存在のため国庫に帰属された相続財産(2022年度)は15年前の約3.5倍(770億円)になった。 実際、2024年4月から相続登記が義務化され「所有者」の明確化は進みつつある。また相続土地国庫帰属法も成立し、放置リスクが下がることが期待される。しかし、今後顕在化する課税逃れや管理費用の公への転嫁等のモラルハザードについては、今一度丁寧に議論する必要がある。当該研究をさらに進めることで、その糸口となると考えている。
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