研究課題/領域番号 |
21K18439
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
高田 輝子 大阪公立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (30347504)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 流動性 / 需給バランス / 暴落予測 / 指値 / 確率密度推計 |
研究開始時の研究の概要 |
株価暴落のような社会に大きなダメージをもたらす異常事象の予測や制御は喫緊の課題であるが、それを生み出すシステムが複雑であるにも関わらず、利用可能統計が少なく、扱いにくい統計的性質を持つため、従来法の適用が難しい。本研究は、まず、暴落の引き金となる流動性需給バランスの局面別変動パターンを、世界最大最長時系列であるニューヨーク証券取引所全オープン指値注文表履歴統計に、研究代表者が開発した事前の仮定を要さぬ頑健な諸手法を適用することで、最大限の情報抽出を実現し、流動性需給曲線や売買注文相関構造を可視化する。次にそこからの発見事実を活用し、完全データ駆動型の高精度早期暴落予測を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「流動性需給のビッグデータのみに基づく高精度早期暴落予測法の開発」である。本年度の研究実績は、以下の①~③にまとめられる。
①オープン指値注文統計の新規分追加購入とそのクリーニング及び格納システム整備:円ドルレートが当初予想の110円/$から140円/$弱となる急激な円安の進行を受け、予算をOpenbook統計に集中させることで、何とか予定していた全期間分購入した。しかし、その余波で新規購入データ格納用の大規模ハードディスクの予算がなくなってしまったため、分散格納の為に現有ハードディスクを整理するなどのデータ格納体制の再整備を行った。現在は、新規購入データのクリーニング作業中である。 ②既有のOpenbook統計を使った暴落予測に有用な市場の需給バランス状態変化パターンについての新たな発見:上昇トレンド局面末期における、暴落の前兆現象として活用可能なパターンの発見や、流動性需給状態からの市場安定度の測定を行い、暴落予測に活用可能な材料を複数得ることができた。 ③暴落予測システム開発の着手:いつ来るかわからない「上昇トレンドから下落トレンド」 への突然の変化への対応力が高い取引戦略を開発した(研究発表1)。そしてこの取引戦略に用いた「市場状態モニターによる暴落リスク感知の仕組み」を、暴落の前兆現象としての「流動性需給バランスの変化パターン」の感知に活用することで、暴落予測の精度を更に高めるシステムの開発に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ格納体制の再整備作業により新規購入データのクリーニングの進捗がやや遅れているものの、「暴落予測に有用なパターン」をいくつか発見できていることに加えて、最終年度に計画していた「暴落予測システムの開発」にも着手できていることから、概ね順調なペースで進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
現有データを使った分析と同時に、新規購入データのクリーニングを進める。クリーニングが完了し次第、現有データを用いて得られた結果が新規購入データ分についても得られるかを確認し、結果をアップデートする。
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