研究課題/領域番号 |
21K18446
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分7:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
矢田 勝俊 関西大学, 商学部, 教授 (00298811)
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研究分担者 |
里村 卓也 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (40324743)
中原 孝信 専修大学, 商学部, 教授 (60553089)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 消費者行動モデル / 新型コロナウイルス / 感染拡大 / 新型コロナウィルス / COVID-19 / 感染症モデル / 消費者行動論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、消費者行動に関するモデル、知見を用いて、COVID-19感染に対応する政策立案に有用なモデルを開発し、知見を得ることである。ビジネスの中で発展してきた消費者行動のモデルは感染症の古典的なSIRモデルからの影響を強く受けている。消費者行動論のモデルを応用すれば、日本の医療体制や予算制約を前提にしたモデル構築、有用な知見を得ることが可能である。本研究は消費者行動論のアプローチを用いて感染症モデルの新しい知見を得ること、消費者行動論から危機行動の知見を得て感染症対策に関する経済的影響を理解する枠組みを手に入れることを同時に目指すものである。
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研究実績の概要 |
現在、日本はCOVID-19の克服の最後の段階に入っていると期待される。これまで感染拡大について、様々なデータに基づいた研究がなされてきた。本研究の目的は、消費者行動に関するモデル、知見を用いてCOVID-19感染に対応するための有用なモデルを開発し、得られた知見をもとに政策立案を行うことである。我々は消費者行動モデルを応用し、コストや様々な制約を考慮することに長けた予測モデルを構築しており、既にディスカッションペーパーとして公開している。感染モデルは状況をよく説明しており、政策立案に有用な示唆を提供するものと期待される。また、状況をコントロールしたシミュレーションのためのツール開発も行い、将来の未知のシナリオに向けて、柔軟に政策対応するシステムを開発した。 さらに政策立案の応用事例として、店舗または顧客による感染拡大前後の行動変容のモデル化について既存研究の調査を行った。また、実際の企業のビッグデータを用いて、モデルを実装し、その有用性の検証を行った。立地、業態など店舗特性によって、感染拡大前後の売上傾向の変化が異なることが明らかになり、店舗によって対応を変える必要性について示唆を与えることができた。また、感染拡大前後の変化を元に顧客をクラスタリングすると、年齢層や嗜好によって、異なる対応を見せるグループの存在を示すことができた。この結果も、顧客毎に対応を変える必要性を示唆しており、これらの対応力がコロナ後の店舗の競争力を左右することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の具体的な研究項目は1)消費者行動モデルを適用した感染拡大モデルの構築と2)政策立案のための応用可能なモデル・事例開発に大別できる。 1)については、既に消費者行動モデルを適用した感染拡大モデルを構築している、ディスカッションペーパーとして公刊し、現在、国際学術誌で査読中である。当該モデルでは、伝統的なSIRモデルを拡張し、隔離状態を組み込んだモデルを開発、それともとに状態空間モデルなどを組み込み、政策的示唆を提示可能なモデルに発展させている。 2)政策立案のための応用可能なモデル・事例開発については、流通小売業に焦点を当て、店舗または顧客による感染拡大前後の行動変容のモデル化について既存研究の調査を行った。実データを用いた実証も行い、現在、論文化を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる2023年度は、1)消費者行動モデルを適用した感染拡大モデルについて、国際学術誌の査読に対応し公刊を実現する。 2)政策立案のための応用可能なモデル・事例開発については、企業の実データを用いた実証実験をもとに、国際会議での発表ならびに国際学術誌への投稿を行う。
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