研究課題/領域番号 |
21K18450
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石田 賢示 東京大学, 社会科学研究所, 准教授 (60734647)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 生活時間 / マルチタスク / デジタル化 / 経験サンプリング法 / 確率標本調査 / ウェブ調査 / 社会生活基本調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,人々の生活時間のなかで生じる「マルチタスク」と呼ばれる現象について,実際の測定を試みる.一般的なイメージでは,一度に複数のことがらに従事しているのが「マルチタスク」とされやすいが,それを実際に測定した例は少なく,社会調査において観察可能であるのかも明らかではない.本研究で実施する調査により得られたデータの分析を通じ,「マルチタスク」が生じる背景,そして生活上の影響について明らかにする.また,生活時間の調査において「マルチタスク」をどのように測定できるのかという方法論的関心にも応えられるよう,調査研究を進めてゆく.
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研究成果の概要 |
本研究では、これまで十分に把握されてこなかったマルチタスク状況を生活時間調査の枠組みで測定し、それが生じる背景と、人びとの時間意識やメンタルヘルス等への影響を検証する。この目的を達成するため、独自調査データ、および公的統計調査データの分析をおこなった。 分析の結果、マルチタスク状況が生じると生活時間への圧迫感やメンタルヘルスの悪化を招く可能性のあることが明らかとなった。しかし、マルチタスク状況は社会のなかで一様に生じず、社会経済的、家族的要因により発生可能性が異なる。また、先行研究で注目されるデジタル化とマルチタスク化の関連も、社会経済的位置や家族的状況により異なることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の遂行を通じて得られた成果は、日本における今後の生活時間調査の選択肢を広げた。これまではダイアリー形式、あるいは一部の活動時間の長さを質問する形式での生活時間の測定が主流であったが、海外の先行研究でも議論されてきた通り回顧にともなうエラーの懸念が残る。経験サンプリング法の生活時間調査への応用は有効な対処法の1つであり、そのときどきでなければ測定できないような意識や行動などについても、分析の幅を広げることができる。 上記の学術的意義は、ワークライフバランス研究や社会的孤立、メンタルヘルスに関するさまざまな知見を導く基礎にもなる。その意味で、本研究の成果の社会的意義も大きいといえる。
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