研究課題/領域番号 |
21K18452
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分8:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山口 智子 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70324960)
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研究分担者 |
三亀 啓吾 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70571701)
筒浦 さとみ 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20708622)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 広葉樹資源 / 健康機能性 / 抗酸化性 / ポリフェノール / 嗜好性 / 茶 / 食品 / 抗菌素材 / 持続可能な社会 |
研究開始時の研究の概要 |
広葉樹林が分布する豪雪地の山間地集落では、超高齢化と過疎化が進行しており、そこで生活する人々の暮らしを守るために、豊富な広葉樹資源を活かしながら、次世代の定住に繋がる新たな経済活動の萌芽を育てることが強く望まれている。本研究は、旧薪炭林の広葉樹資源の利活用に対する方策を食の視点から探究し、豪雪山間地集落の持続可能な社会の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、旧薪炭林の広葉樹資源の利活用に対する方策を食の視点から探究し、広葉樹の用途拡大による豪雪山間地集落の持続可能な社会の構築を目指すことを目的としている。未利用の広葉樹資源について、健康機能性や抗菌性のスクリーニング評価を行い、有効成分の特定、さらに実用化への試作など、健康機能性を有する食品や抗菌素材として食生活に利活用する可能性を探っている。昨年度の研究により、未利用の広葉樹を茶として生鮮葉でも乾燥葉でも利用は可能であるが、乾燥処理を行えば季節を問わずに利用できるメリットがあり、飲みやすい茶となることが明らかになったことから、2023年度は自然乾燥葉を用いた研究を遂行した。 2023年度は、ブナ林に生育する多様な樹種からブナ、クロモジ、タムシバに続く主要樹種であるアブラチャンを対象として主に研究を行った。具体的には、茶として利用する際のより効果的な活用法を探るため、自然乾燥葉を用いた茶の浸出方法と浸出時間について、抗酸化活性、総ポリフェノール量、カテキン類・カフェインの定量、色調測定、官能評価により検討した。また、葉の採集場所による比較及び保存による影響を併せて評価した。 持続可能な開発目標(SDGs)において、「持続可能な森林の経営(目標15)」が挙げられており、地域資源を持続可能な形で活用することが求められている。上記の研究により、未利用の広葉樹の乾燥葉を用いて、健康機能性を活かしつつ嗜好性にもすぐれた茶の提案ができた。さらに、通常の緑茶と異なり、ノンカフェイン茶である可能性を見出しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、より抗酸化活性が高く、嗜好性にもすぐれた茶の提案を目指して浸出方法(加熱温度、加熱時間)を検討するとともに、カテキン類・カフェインの定量を行った。さらに、当初予定していなかったカフェイン分析や保存性の検討を行ったものの、抗糖化作用の評価が行えていない。
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今後の研究の推進方策 |
抗糖化作用の評価および茶以外の食品利用を検討するとともに、研究成果をまとめ、国際学会で発表を行う予定である。さらに、学術論文として報告できるよう準備を進める。
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