研究課題/領域番号 |
21K18495
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
大森 美香 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (50312806)
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研究分担者 |
渡邊 弥生 法政大学, 文学部, 教授 (00210956)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 感情マネジメント / 健康行動 / 青年期 / リスク認知 / 口腔保健行動 / ヘルスリテラシー / 健康教育 / ヘルスコミュニケーション / 発達 / 教育 |
研究開始時の研究の概要 |
健康教育や公衆衛生上の疾病や傷害予防プログラムにおいては、健康や疾病の“知識”や恐怖の喚起が行動を促進できるとの前提で、テキストやパンフレットが作成されている。しかしながら、知識は必ずしも望ましい行動に結びつかず、病気や災害に関する恐怖や不安が、適切な判断と行動を阻害することが多く観察されている。適切なヘルスコミュニケーションには、健康の概念的な知識に加え、ヘルスリテラシー、ニューメラシーの要素が必要と考えられる。本研究では、ヘルスリテラシーンやニューメラシー、リスク認知などの心理発達と健康行動との関係を解明し、リスク認知の発達に応じたヘスルコミュニケーション教材の開発を目指している。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、感情マネジメントを考慮した実効性あるヘルスコミュニケーションの方法を確立し、認知・感情発達を考慮したヘルスリテラシーや危機状況への対応力を育成することにある。我々は、災害、パンデミック、事件・事故、など危機的できごとに直面することがある。危機に対する知識があれば、的確なリスク認知と判断ができ、適切に行動できると想定されているが、実際場面では、パニックや恐怖などの感情反応が先に立ち、適切な行動に至らないことが少なくない。特に、子どもや青年期のリスク認知や感情のマネジメントは発達途上にあり、成人と異なると想定される。心理的発達段階にある子どもは、1)自身や他者の感情認識や感情マネジメントが発達途上であり、2)時間的展望を持ちづらく、不確かな未来の想像が困難なためである。 先行研究によれば、公衆衛生上の予防行動は,リスク認知やヘルスリテラシーにより促進され(Rutherford et al., 2018)。リスク認知やヘルスリテラシーは、発達とともに高まることが報告されている(Kim et al., 2018)。本課題の2023年度の目的は、青年期早期における健康リスクとして代表的な疾患であるう蝕に焦点をあて、中高校生におけるう蝕予防行動を比較,青年期早期における心理的発達とう蝕予防行動の関連を明らかにすることにあった。約400名程度の中高生を対象に、2時点のオンラインパネル調査を実施した。 2時点目の調査参加者の脱落率が高く、縦断データの分析に至れなかった。横断データの記述的な分析からは、ヘルスリテラシーは高校生において高く、予防行動の阻害要因となる楽観バイアスは中学生において高いことが示された。2024年度により詳細な分析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、コロナウィルス感染症の位置付けが2類相当であり、さまざまな疾患に対するリスク認知からその影響が除外できないと判断し、実査開始を2023年度に持ち越すこととした。2023年度は、中学生と高校生を対象に2回にわたるパネル調査を実施し、分析を開始、一部の成果を国内で学会発表、2024年度の国際学会での発表のため投稿を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、国際学会での発表および論文執筆を予定しており、計画どおり研究を推進していく予定である。
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