研究課題/領域番号 |
21K18500
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 (2022-2023) 信州大学 (2021) |
研究代表者 |
李 敏 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 教授 (30531925)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 中国人留学生 / 外国人の子ども / 子育て戦略 / アイデンティティ / 子どもの教育戦略 / 留学生 / 中国 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「高度外国人材」としての日本に定住した中国人元留学生、およびその子どもを対象に、①日本語力が高く、日本社会への適応能力が比較的に高い外国人ルーツのこどもの教育実態と教育問題、②独自の教育期待を実現するための教育戦略、さらに③子どもの教育戦略が子ども本人の教育達成への効果、また親である元留学生のキャリア設計への影響について、インタビューとアンケート調査の両方を用いながら調査を実施する。この研究は、多様化しつつある教育現場に新しい視点を与え、外国人が日本社会へスムーズに融合することの実現に戦略的な提言を行うことを目指すものである。
|
研究実績の概要 |
R5年度には、中学・高校・大学受験を経験した中国人元留学生の子どもを対象に、追跡調査を実施した。また、小学校5年生から高校2年生の子どもを対象に、①学校における学習と部活動の経験、②塾、習い事などの学校外の学習、③将来の展望、④アイデンティティに関する認識及び葛藤についてインタビューを行った。さらに、R6年2月には、元中国人留学生の母親と子どもを招いて研究会を開催し、調査結果を共有し、議論を行った。 追跡調査、インタビュー調査、及び研究会を通して、以下の点が明らかになった。①元中国人留学生は、中国本土の学力中心、詰め込み教育に批判的な一方で、日本の受験制度の重要性を十分認識しており、受験準備に多大な時間と費用を投資していることが共通的に見られる。②調査対象となった子どもたちは、日本の学校教育に高度に適応しており、一般的に指摘される外国人児童の不登校問題、学力問題、いじめなどの問題はほとんど見当たらない。むしろ、外国ルーツであることがもたらした言語と文化的多様性が、学校生活において評価される傾向さえ見られる。③親が留学生であることや、子ども自身が日本語、英語、母国語を堪能であるという背景から、調査対象となった子どもたちは、海外留学への強い希望を持っている。一方で、日本社会に深く馴染んでいるにもかかわらず、純粋な日本人とは異なるアイデンティティの葛藤を抱えている様子も見受けられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.調査開始年度のインタビュー調査者に対して、追跡調査ができた。 2.子どもを対象とする調査ができた。 3.研究会が開催された。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は科研期間中の調査をまとめて、引き続き学会で研究成果を発表すると同時に、論文を執筆して、学術雑誌に投稿する予定である。
|