研究課題/領域番号 |
21K18503
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
村越 真 静岡大学, 教育学部, 教授 (30210032)
|
研究分担者 |
遠藤 知里 常葉大学短期大学部, 日本語日本文学科, 教授 (90400704)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 実践知 / リスキープレイ / 遊具 / 保育者の専門性 / リスク認知 / リスク / リスクマネジメント / 幼稚園教員 / 状況判断テスト / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児期から「自ら健康で安全な生活を作り出す」経験を重ねることは、次世代の安全資質向上上も重要であり、それを支援する保育者の資質向上は保育現場の強い要請がある。このことから本研究では、リスクと保育の意義のジレンマがある遊び場面の保育者のリスクマネジメントを、実践知(楠見、2012)等の理論的背景を踏まえて検討する。 特に、新規な遊具導入により、保育者のリスク認知とリスクマネジメントの特徴とその縦断的変化を明らかにすることを特徴とする。これにより、保育者の専門性のモデル構築という実践的な意義に加え、研究代表者の先行研究と併せて個人的リスクマネジメントの実践知のフォーマル理論を確立する。
|
研究実績の概要 |
①幼稚園の遊具での遊びに対するリスク要因およびリスク対応に関する質問紙調査を教職員12名、教育実習生21名(実習前後)に対して実施することで、遊具に対するリスク意識と対応の資質の実態を把握した。その結果、教育実習生においては実習による顕著な変化が見られないこと、研究協力者を筆頭著者とする自由記述による調査(河合ら、2022)と比べて質問紙形式では教員/実習生の差が顕著には表れないことを見いだした(河合ら、投稿中) ②幼稚園での安全に関する研修に参加し、遊具の持つ危険性や安全確保についての教職員間での議論を参与的に記録し、教職員のリスク対応の実践知を把握する基礎的資料とした(村越・河合が担当)。 ③教職員に対して、ツリーハウスの模型をもとにツリーハウスでの遊びのリスクをどのように捉え、そのリスクに対応しようとしているかについて、半構造化面接調査によるデータ収集を行った。また対照群として幼稚園に配属され、本園で実習を行った教育実習生に対しても同様の調査を実施した(河合・遠藤・村越が担当)。 ④リスキーな遊具としてツリーハウスを設置することが決まり、その工事スケジュールを踏まえて、データ収集のための計画を幼稚園・共同研究者との協議により進めた(村越・遠藤および協力者柴田・青山) ⑤これまでの研究成果を元に、昨年度に引き続き大学の公開講座として子どもを持つ一般保護者を対象としたリスクマネジメント講座を開講し、遊びの意義を維持しながらリスクを回避する考え方について保護者に提供した(村越・柴田が担当)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
導入を予定しているリスキーな遊具(ツリーハウス)について設計には至ったが、大学の設備認可の関係で2023年度上半期の着工・完成となったため、2022年度においてもデータ収集は全くできなかった。ただし、この点は全体計画の中で吸収可能な見込みである。一方で、データ収集のための計画については精緻化し、遊具完成以前の教職員への聞き取りは実施できた。以上より(4)と評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、本研究の核となるツリーハウス完成前後での教職員、教育実習生、幼児、保護者に対して実施した質問紙、半構造化面接によるデータ収集を進め、リスクある遊具に対するリスク認知と利用に伴うその変化について質的・定量的に明らかにする。当初予定していた、研究成果に基づく幼稚園教職員のリスクマネジメントの資質に関わる研修については、1年延長も視野に入れて準備を進めている。
|