研究課題/領域番号 |
21K18504
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
辻 浩 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00227399)
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研究分担者 |
河野 明日香 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10534026)
横山 悦生 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (40210629)
中嶋 哲彦 愛知工業大学, 工学部, 教授 (40221444)
江頭 智宏 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (40403927)
吉川 卓治 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (50230694)
石井 拓児 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (60345874)
小長井 晶子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 助教 (30950927)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 教育福祉 / 障害者 / 子どもの権利 / 学校改革 / 技能者養成 / 新型コロナ / 公民館活動 / 高齢化社会 / 貧困家庭 / 職業教育 / 青年期 |
研究開始時の研究の概要 |
教育福祉研究は、その学際的性格のゆえに、国内では研究拠点となる研究施設はきわめて少ない。そのため、「教育福祉」研究が取り組むべき問題群の広がりと緊急性に比べ、わが国の研究状況は立ち遅れているといわざるをえない。本共同研究では、グローバリゼーションのもと諸外国でも同様の事態が広がっている状況を概観するとともに、各国における教育福祉制度の整備確立ならびに諸施策の実行状況について歴史的かつ現代的に包括的にとらえることからはじめ、わが国の歴史的・文化的固有性をふまえつつ諸問題の解決に向けた理論的かつ実践的な課題を指し示すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
本年度は、とりわけ子ども・障害者・高齢者の教育福祉に関する現状と課題の分析を中心に研究をすすめてきた。2023年4月のこども基本法施行にあわせ、子どもの権利条約に示された4つの原則の国内法規定がもつ法制度的効果の検証をすすめるとともに、障害者の公民館活動や労働支援のあり方、さらには障害者の幼児期・学齢期・青年期・成人期を貫く生涯にわたる一体的な政策的支援のあり方の検討を行った。また、福祉国家的諸制度の検討を進め、特に学校と教育施設への公的財政措置の現状を批判的にとらえつつ、福祉国家の制度原則に基づく教育行財政をめぐる政策課題を検証した。 新型コロナ感染拡大という全人類的課題を念頭に置き、子どもの貧困・青年の貧困問題を中心に教育福祉研究の新しい課題にも意欲的に取り組んだ。青年の労働世界への移行の状況を分析し、ものづくりにおける技能伝承と今後の技能者養成の課題を指摘するとともに、デンマークの技能者養成の事例についても検証を進めた。 以上の研究と重ね合わせ、ドイツ・ヴァイマル期における学校田園寮活動に着目し、子どもの健康と福祉をめぐる学校改革事例、日本の帝国大学成立期における医療技術者養成等、歴史研究を進め、現代的課題に対する歴史的応答の可能性について考察を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本共同研究では、グローバリゼーションのもと諸外国でも同様の事態が広がっている状況を概観するとともに、各国における教育福祉制度の整備確立ならびに諸施策の実行状況について歴史的かつ現代的に包括的にとらえることからはじめ、わが国の歴史的・文化的固有性をふまえつつ諸問題の解決に向けた理論的かつ実践的な課題を指し示すことを目的としている。そのため、本共同研究期間中に、国内外における研究的ネットワークを含め研究機関・行政機関・民間の相互の連携協力体制の構築をすすめていく。その先には、現実的な課題に直接的にコミットし、研究・行政・民間の各機関に有意な人材を輩出する基盤的なセンターを設立することを計画しているが、海外渡航制限等の事情により、十分な成果を挙げる段階には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
ここまでで、名古屋大学大学院教育発達科学研究科に教育福祉研究センターを設置することができ、研究体制は整いつつある。今後、着実に研究をすすめていくことを優先課題としつつ、研究期間の1年延長も念頭におきながら、計画の再構築を図る。
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