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歴史学習固有のハイパー学力を育成する評価モデル開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K18507
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分9:教育学およびその関連分野
研究機関島根大学

研究代表者

宇都宮 明子  島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (40611546)

研究分担者 原田 信之  名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (20345771)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードハイパー学力 / 歴史学習 / 認知系・非認知系コンピテンシー / 評価モデル
研究開始時の研究の概要

本研究の目的は、歴史学習における認知系・非認知系コンピテンシーを輻輳的に働かせて育成するハイパー学力の評価モデルを開発することである。本研究は、①認知系・非認知系コンピテンシーを輻輳的に育成する教科固有の学力モデルを提示する、②両コンピテンシーの輻輳的な育成を形成的・総括的に測定する評価モデルを提起する、③新たな評価方法論の確立に寄与するという3つの意義を通して、学力観の転換や授業改革に応えるのみならず、評価方法論をも転換させる潜在性を有する挑戦的研究である。

研究実績の概要

令和5年度の目的は、認知系・非認知系コンピテンシーを輻輳的に働かせて育成するハイパー学力の評価モデルの開発に向けて、海外の一般・歴史教育学研究において認知系・非認知系コンピテンシーをどのように機能させた教授・学習を構想しているのかを解明することであった。
そこで、本年度はJ.ハッティの研究とJ.リューゼンの研究に着目して研究を遂行した。ハッティのコレクティブ・エフィカシーに関する著書、フィードバックに関する著書を翻訳した。コレクティブ・エフィカシーに関する著書から、自己効力感や集合的効力感という非認知系コンピテンシーが機能する前提として課題、評価、達成規準が十分に検討されていること、とりわけ挑戦と動機づけを高める課題を設計すること、その課題に取り組むに足る認知系コンピテンシーを身につけることの重要性を把握した。フィードバックに関する著書から、フィードバックにおいて、スキル、意志、わくわく感といった非認知系スキルが重要な要素になること、授業以前の既有知識といった認知系コンピテンシーが学習に影響を及ぼす重要な要素であることを明らかにした。
リューゼンの歴史教授学理論に関する著書を翻訳した。この著書から、ドイツ教授学教授学では、認知的次元と実用的な次元と実践的な次元とが重なり合いうことで、意味形成としての語りコンピテンシーが育成されることを検討した。
両者の研究から、非認知系コンピテンシーと認知系コンピテンシーが関連しあうことで、高い教育効果が見込まれることが示されている。とりわけ、リューゼンの研究は、本研究が目的とする歴史学習固有のハイパー学力の設定に援用可能で、来年度における歴史学習固有のハイパー学力の設定と、評価モデルの開発に重要な示唆を与えるものであり、十分な成果を上げることができたと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

日本の一般・歴史教育学研究では、非認知系コンピテンシーの研究が十分なされておらず、認知系コンピテンシーと非認知系コンピテンシーを踏まえたハイパー学力の設定をするためには、海外の一般・歴史教育学研究の成果を援用する必要があることが判明し、本年度は海外の一般・歴史教育学研究における非認知系コンピテンシーの検討に多くの時間をかけることになった。そのため、ハイパー学力の設定と評価モデルの開発は来年度に持ち越さざるをえなくなった。

今後の研究の推進方策

令和5年度の研究成果で、海外の一般教育学研究における認知系コンピテンシーと非認知系コンピテンシーを機能させる授業設計と評価のあり方、ドイツ歴史教育学研究における認知系・非認知系コンピテンシーを機能させる教授・学習原理やコンピテンシーを解明することができた。
これらの成果を踏まえ、令和4年度に検討した初等段階の歴史学習との接続を考慮し、ドイツを中心とした海外の一般・歴史教育学研究における教授・学習原理とコンピテンシーを援用して、中等段階の歴史教育におけるハイパー学力の設定と、認知系・非認知系コンピテンシーを輻輳的な育成を可能にする評価モデルを開発する予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (24件)

すべて 2024 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (12件)

  • [雑誌論文] 自己調整学習としての歴史授業とその評価方略の提案-高等学校「日本史探究」における授業を事例に-2023

    • 著者名/発表者名
      宇都宮明子
    • 雑誌名

      社会系教科教育学論叢

      巻: 3 ページ: 59-68

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 認知系・非認知系コンピテンシーを輻輳的に育成する生活科授業開発―統合教科の新しい展望に向けて―2022

    • 著者名/発表者名
      酒井 達哉、原田 信之、宇都宮 明子
    • 雑誌名

      学校教育センター紀要

      巻: 7 ページ: 26-34

    • DOI

      10.14993/00002287

    • URL

      https://mukogawa.repo.nii.ac.jp/records/2333

    • 年月日
      2022-02-28
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] コンピテンシー・ベースの学習指導要領への転換に関する考察-バーデン・ヴュルテンベルク州ビルドゥング計画の分析に基づいて-2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮明子
    • 雑誌名

      名古屋市立大学大学院人間文化研究『人間文化研究』

      巻: 37 ページ: 1-17

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 子どもを歴史好きにする! 見方・考え方を働かせる歴史授業づくりの基礎基本 歴史を探究し、表現する歴史授業への転換に向けて2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮明子
    • 雑誌名

      社会科教育

      巻: 第59巻第9号 ページ: 4-9

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 深い学びを通して歴史的分野固有の資質・能力を育成する2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮明子
    • 雑誌名

      社会科教育

      巻: 第59巻第3号 ページ: 28-31

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] コンピテンシー・ベースの学習指導要領への転換に関する考察:-バーデン・ヴュルテンベルク州ビルドゥング計画の分析に基づいて-2022

    • 著者名/発表者名
      宇都宮明子
    • 雑誌名

      人間文化研究

      巻: 第37号 ページ: 1-17

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 認知系・非認知系コンピテンシーを輻輳的に育成する生活科授業開発-統合教科の新しい展望に向けて-2022

    • 著者名/発表者名
      酒井達哉、原田信之、宇都宮明子
    • 雑誌名

      武庫川女子大学学校教育センター紀要

      巻: 7号 ページ: 26-34

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] ドイツ・チューリンゲン州第三次ビルドゥング計画(2019 年版)における認知能力・非認知能力 の育成 -三次元構成論の能力枠への着目-2021

    • 著者名/発表者名
      原田信之
    • 雑誌名

      人間文化研究

      巻: 第36号 ページ: 69-83

    • NAID

      120007166980

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 社会系教科における資質・能力の育成を図る評価課題の開発に向けた考察 ― パフォーマンス課題とHiTCH評価課題の比較を基に―2021

    • 著者名/発表者名
      宇都宮明子
    • 雑誌名

      島根大学教育臨床総合研究

      巻: 第20号 ページ: 99-113

    • NAID

      120007150550

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] どうやればコレクティブ・エフィカシーを育むことができるか、共に考え・交流しよう2024

    • 著者名/発表者名
      原田信之
    • 学会等名
      日本協同教育学会協同教育実践交流会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 持続可能な資質・能力の育成を通して 持続可能な社会の形成に「間接的に」寄与する歴史学習2023

    • 著者名/発表者名
      宇都宮明子
    • 学会等名
      社会系教科教育学会第34回研究発表大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 教職実践知の継承に教職大学院はどのように貢献できるか―教師教育の高度化とミドルリーダーの役割―2022

    • 著者名/発表者名
      原田信之
    • 学会等名
      日本学校教育学会第36回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] ドイツ歴史教授学の基礎理論-歴史意識が織りなす意味形成と語り-2024

    • 著者名/発表者名
      J.リューゼン著、宇都宮明子訳、原田信之監訳
    • 総ページ数
      202
    • 出版者
      三恵社
    • ISBN
      9784866938547
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 教育の効果-フィードバック編-2023

    • 著者名/発表者名
      J.ハッティ著、原田信之監訳
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042460
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 自立的で相互依存的な学習者を育てる コレクティブ・エフィカシー2023

    • 著者名/発表者名
      ジョン・ハッティ、ダグラス・フィッシャー、ナンシー・フレイ、シャーリー・クラーク、原田 信之、笹山 郁生、宇都宮 明子、石田 裕久、長濱 文与
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      北大路書房
    • ISBN
      9784762832376
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 社会認識と自然認識の基礎を統合的に育成する生活科授業2023

    • 著者名/発表者名
      酒井達哉、原田信之、宇都宮明子
    • 総ページ数
      148
    • 出版者
      三恵社
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] レリバンスを構築する歴史授業の論理と実践: 諸外国および日本の事例研究2023

    • 著者名/発表者名
      二井正浩編
    • 総ページ数
      290
    • 出版者
      風間書房
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] ドイツの学力調査と授業のクオリティマネジメント2023

    • 著者名/発表者名
      原田 信之
    • 総ページ数
      230
    • 出版者
      風間書房
    • ISBN
      9784759924671
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 歴史教師のビリーフに関する国際比較研究2023

    • 著者名/発表者名
      宇都宮 明子、原田 信之
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      風間書房
    • ISBN
      9784759924640
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 学校教育を深める・究める2022

    • 著者名/発表者名
      日本学校教育学会研究推進委員会
    • 総ページ数
      174
    • 出版者
      三恵社
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] レリバンスの視点からの歴史教育改革論2022

    • 著者名/発表者名
      二井 正浩
    • 総ページ数
      224
    • 出版者
      風間書房
    • ISBN
      9784759924305
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
  • [図書] 地理歴史授業の国際協働開発と教師への普及2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 直之
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      風間書房
    • ISBN
      9784759924169
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] Handbuch Didaktik des Sachunterricjhts. 3. ueberarbeitete Auflage2022

    • 著者名/発表者名
      Kahlert, Joahim u.a
    • 総ページ数
      571
    • 出版者
      Velag Julius Klinkhardt
    • ISBN
      9783825288013
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 学力格差への処方箋2021

    • 著者名/発表者名
      耳塚寛明、浜野隆、冨士原紀絵
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      勁草書房
    • ISBN
      9784326251513
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-12-25  

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