研究課題/領域番号 |
21K18510
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古賀 信吉 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (30240873)
|
研究分担者 |
鈴木 由美子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (40206545)
谷田 親彦 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (20374811)
竹下 俊治 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90236456)
山崎 博史 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (70294494)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 科学教育 / 倫理教育 / 道徳教育 / 初等教育 / 中等教育 |
研究開始時の研究の概要 |
社会の知的基盤としての科学倫理のコア概念を模索し,初等・中等科学教育の各学習段階における科学倫理教育のための学習素材及び学習プログラムを開発する。教育実践的研究を通じて開発した教材及び学習プログラムの有用性を実証的に評価するとともに,科学倫理教育の学習段階の設定についてその妥当性を検証する。本研究の成果を,科学教育の立場からの科学倫理教育の方略として位置づけ,将来あるべき初等・中等教育段階における科学倫理教育の姿を模索する。
|
研究実績の概要 |
2022年度においては,前年度に重点項目とした研究項目(1)科学倫理コア概念の模索及び(2)学習素材の発掘と教材化を継続的及び発展的に推進した。また,これらの成果をもとにして研究項目(3)学習プログラムの開発に取り組んだ。研究項目(3)の成果を受けて,研究項目(4)教育実践的研究の一部として,大学基礎科学レベルで試行授業を行い,その実用性を評価した。 研究項目(1)では,文献研究により基盤情報をさらに拡充し,小・中学校における「道徳」の目標と小・中・高等学校「理科」及び中学校「技術・家庭」において育成を目指す科学倫理との相補的関係を明確化した。これをもとに,本研究の目的の具体化を図った。 研究項目(2)では,国内外の科学倫理にかかわる教育実践例などから科学倫理教育のための素材抽出に取り組んだ。また,生命科学,物質・エネルギー科学,並びに自然環境・防災科学の各領域において素材探査のための基礎的研究を多面的に展開した。さらに,発掘したそれぞれの素材の教材化のための基礎資料の作成を行った。 研究項目(3)では,研究項目(2)で開発したいくつかの教材を活用して,複数の探究的な学習プログラムを開発した。また,学習プログラムの異なる場面で,科学倫理に関する学習活動を取り入れるための方略を検討し,その学習場面での具体的な学習活動の文脈と内容を提案した。 研究項目(4)では,研究項目(3)で開発したそれぞれの学習プログラムを教育実践に供するための具体的な教育実践計画を策定した。また,それぞれの実践計画ごとに,生徒の学習成果及び学習プログラムの有用性に関する評価の視点と尺度を開発に取り組んだ。開発した教育実践計画に従い,大学基礎科学のレベルでの試行授業を行い,その実用性と効果の意義について評価した。それらの成果を,研究項目(2)及び(3)にフィードバックし,教材及び学習プログラムの改善を図った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に重点項目とした研究項目(2)学習素材の発掘と教材化及び(3)学習プログラムにつ いては,当初の予定に照らしておおむね順調に進展している。これにより,研究項目(4)の教育実践的研究についても,大学基礎科学のレベルにおいて,試行的な授業実践に取り組むことができた。一方で,新型コロナ感染症対策のため小・中・高等学校における教育実践的研究については,2022年度の実施を見送り,2023年度の研究課題とした。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度においては,前年度に重点項目とした研究項目(2) 学習素材の発掘と教材化及び(3) 学習プログラムの開発を継続的及び発展的に推進する。特に,(3) 学習プログラムの開発においては,小・中・高等学校のそれぞれの学習段階に応じて,また,それぞれの学習段階における「理科」及び中学校「技術・家庭」の学習内容と関連付けた種々の学習プログラムの開発を目指す。研究項目(2)及び(3)の成果をもとにして研究項目(4) 教育実践的研究を重点的項目として取り組み,大学における試行授業並びに研究協力校である小・中・高等学校における教育実践を介して評価する。同時に,研究項目(6) 指導者養成に取り組み,大学及び大学院における教員養成のための授業開発と教育実践を行う。また,研究項目(5) 教育現場における支援活動については,新型コロナ感染症対策のため,これまでの2年間においてオンラインなどに限定した支援活動を行ってきたが,状況を見据えながら従前の支援活動を再開する。 2023年度後期においては,研究項目(7) 研究の総括として,本研究で設定した研究項目(1) 科学倫理コア概念の模索,(2) 学習素材の発掘と教材化,(3) 学習プログラムの開発, (4) 教育実践的研究,(5) 教育現場における支援活動,及び(6) 指導者養成のそれぞれの研究項目の成果を集約するとともに,今後の研究課題を抽出する。これをもとに,各研究項目の成果を構造的に関連づけ,次世代の科学教育において倫理教育のあるべき姿とその実現に向けた具体的方策を議論する上での研究資産として,本研究の総括を行う。
|