研究課題/領域番号 |
21K18529
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 東京学芸大学 (2023) 東海大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
松本 佳穂子 東京学芸大学, 教職大学院, 研究員 (30349427)
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研究分担者 |
竹内 俊彦 駿河台大学, メディア情報学部, 准教授 (20327290)
加藤 由樹 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (70406734)
加藤 尚吾 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80406735)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | グローバル市民性教育 / グローバル人材養成 / 発達段階別評価 / AI型評価ツール / 汎用型オンライン診断システム |
研究開始時の研究の概要 |
最近世界各地で研究と実践が進んでいる「グローバル市民性(Global Citizenship)」教育の日本における標準化と普及を目指して、各教育段階において誰もが使えるようなAI型のオンライン評価ツールを開発・提供する。代表者が長年行ってきたその構成要素に関する研究成果と世界の諸研究を照合しつつ包括的精査・分析及び統合を行い、将来の日本を担う国際的人材の能力要素を実験・検証を通じて確定する。それを段階的指導指標として提唱すると共に、発達段階に合わせた能力を測定するオンライン評価ツールを4種類(小学生用、中・高校生用、大学生用、社会人用)開発し、AI診断を含む汎用型評価システムとして提供する。
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研究実績の概要 |
本研究は、最近世界各地で研究と実践が進んでいる「グローバル市民性(Global Citizenship)教育」の日本における標準化と普及に資するため、グローバル人材の要件や資質を各教育段階で測定できるような汎用型オンライン診断システムを開発・提供することを最終目的とする。AIの急速な発展を受けて、AI型の評価ツール構築を目指している。初年度に、過去の研究成果とFREPAやPISAなどの世界的枠組みを精査・統合して、将来の日本を担う国際的人材の能力要素を調査やパイロット実験による検証を通じて確定した後、各教育段階に合わせた教育目標・指標を作成し、それに基づく評価ツール(エッセイテストとチェックリストの組み合わせ4セット)を開発した。その後2年間は約400名のバックグラウンドや特性の異なる被験者のデータを収集し、評価ツールの精度分析や修正を続けてきた。今年度の成果は以下である。 1.大学生・社会人用の評価ツールに関しては、十分な統計的データ分析を行った後、エッセイテストの妥当性・信頼性及びチェックリストとの整合性を高めるため、更に被験者の回答のテキスト分析を含む詳細な分析と検討を試みた。それに基づいてテスト項目や評価指標に必要な修正・調整を加えた。 2.小学生と中学生に対しては、指標やテスト項目を約半分に削減し、表現を単純化・平易化した簡易版を作成し、実証実験と修正を繰り返しながら安定した評価ツールを完成させた。小学生に対しては、考えたことを文章化するのが難しい場合に対応するインタビュー版も作成した。 3.上記の実証実験と並行して、どのような形でAI分析を利用して評価の判定結果を伝えられるかについて、AIの専門家を交えた勉強会を頻繁に行った。その過程でいくつかの方法を試行したが、引き続きより適切で十分な関連付けのプロトコル化を模索中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画としては、小学生と中学生を対象とする簡易版の評価ツール(インタビュー版を含む)の検証が予想より複雑で難しかった点が主たる理由である。もう一つ大きな課題となってきたのが、ここ数年のAIの急速な発達によって、評価ツールによる判定結果の分析・提示方法に様々な選択肢や可能性が出てきたことである。数量的データだけでなく、指標や被験者の回答などのテキストデータをAIによる分析や判定に利用するため、試行や検討にもっと時間が必要になった。
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今後の研究の推進方策 |
小学生と中学生を対象として開発した簡易版の評価ツールの検証のためにそれぞれ数クラスを用意して、確認のための実証実験とより精緻な分析を行う。結果判定におけるAIの利用に関しては、専門家の協力を継続的に得ながら、最も適切な方法とアウトプットの形式を模索・試行し、最終的なオンライン診断システムを完成する。
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