研究課題/領域番号 |
21K18537
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
寺田 光宏 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (40514641)
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研究分担者 |
吉岡 亮衛 国立教育政策研究所, その他部局等, 客員研究員 (40200951)
今井 泉 東邦大学, 理学部, 教授 (80711390)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 科学教育 / 戦略的失敗 / 資質・能力 / 実験等 / 教科 |
研究開始時の研究の概要 |
学校教育において大きな危険性を伴う実験や観察・ものづくりなどを含む学習活動における失敗の教育的な意義を学術的に明らかにする。そのため資質・能力の育成を目指し,失敗を資源として捉え意図的に失敗をさせる「戦略的失敗」を対象とする。方法は,新学習指導要領における3つの資質・能力と戦略的失敗とを対応づけ,学習者の学習メカニズム及びその授業を構成する授業デザイン原則の観点で解明する。
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研究実績の概要 |
「失敗」は一般的に否定的な面をもつが,それを活用する失敗学(畑村,2000)が提唱されたり,教育心理学(例:市川,2019)や一部実践でも学習者に対する失敗の重要性が認知されたりしている。一方,学校教育において大きな危険性を伴う実験や観察・ものづくりなど(以下:実験等)を含む学習活動における 学術的に失敗の教育的な意義は明らかにされていない。本研究の目的は実験等を含む教科等における資質・能力の育成を目指し,失敗を資源として捉え意図的に失敗をさせる「戦略的失敗」の教育的意義を明らかにすることである。 本研究が,戦略的失敗の一部としている失敗から回復する能力である回復力を確認するための実験教材を開発し実践し論文作成をしている。具体的には,資質・能力としての「粘り強さ」を育成するために,困惑状況を生起される方法を開発した。これは査読論文として理科教育学研究に採録された。また,失敗を活用する能力である活用力の実験を開発し試行授業の準備を始めた。具体的には,シンガポール等で数学において実施されている生産的失敗を理科において実施する方法を開発した。 さらに,その全体像を日本科学教育学会研究会にて次の様に報告した。学校教育における今まで著者らが個別に行ってきた「失敗」に関する研究である報告を「戦略的失敗」として捉え直し整理分類し,失敗の分類を試み,「肯定的」・「否定的」な捉え方と「回避」・「活用」の態度の2軸をとり①失敗を否定的に捉え回避する態度等②失敗を肯定的に捉え回避する態度③失敗を肯定的に捉え活用する態度④失敗を否定的に捉え活用する態度の分類から「戦略的失敗」についての定義・考察を試みた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため,各セクションの進捗状況が前後している状況である。国内で,研究代表者・分担者が直接できる教材開発などは予定より進んでいる。ただ,「学習者の失敗の現状,及び指導者の対応などの日独の実態調査」は,日本及びドイツもコロナ禍の影響が残っているため,学校現場で実施しにくい状況で遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画の中で,コロナ禍でも実施できる研究から今後も進めるようにした。また,コロナ禍も落ち着きを見せているため,国内及びドイツへの現地調査の可能性が出てきたので,相手先と頻繁に連絡をとり,タイミングを計らい,令和6年に入り6月に現地に行くことができるようになった。
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