研究課題/領域番号 |
21K18538
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
高村 秀史 日本福祉大学, 全学教育センター, 講師 (30737945)
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研究分担者 |
佐藤 大介 日本福祉大学, 全学教育センター, 講師 (00756562)
村川 弘城 日本福祉大学, 全学教育センター, 講師 (90736761)
矢崎 裕美子 日本福祉大学, 教育・心理学部, 講師 (50634094)
新美 綾子 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (90735466)
山本 克彦 日本福祉大学, 福祉経営学部, 教授 (60342143)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 防災教育プログラム / 自助・共助 / 防災キャンプ / 被災生活 / 地域福祉 / 防災ゲーム / 減災 / 自助共助 / 自助 / 共助 / アクティブラーニング / 防災キャンンプ / フェーズフリー |
研究開始時の研究の概要 |
現在、自然災害は頻発化、甚大化する傾向にある。本研究は、キャンプの技術・知識・道具を防災減災に活かす「防災キャンプ」の学びをベースに、ゲーム、ICT活用、尺度の利用など他分野の様々な教育手法を加えることで、子どもからシニアまでの広い年齢層に対して、自助力の向上を主目的とした学びを、能動的に取り組み、継続させることができる総合的な防災教育プログラムの開発を目的とする。
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研究実績の概要 |
本報告は、【自助力を能動的に促進させる総合的な防災教育プログラム】の開発を目的とした研究の3年目にあたる。研究は新型コロナウィルスの影響で、2021・2022年度に予定されていた計画が遅れている状況であった。2023年度は1)第一段階の残課題(調査、検証)推進、2)検討されたプログラムの検証、試行的実践を進め、プログラム内容の精選を進めた。 1)の調査、検証では被災経験者やキャンプ経験者、試行的実践の参加者に対するアンケートや聞き取りを行い、【防災キャンプを中心とした防災教育プログラムの効果】として、普段の生活と異なる直接体験をすることで、例えば炊飯の方法を複数知っていて実践できるなどの応用力がつき、「生活の幅を広げる」ことや、テントや寝袋で寝たことがあるという経験をすることで、「被災生活のストレスを軽減させ、QOLを維持、向上させる力」の向上が期待できることが示唆された。 また、対象者が「子どもだけでなく、シニアまでの広い世代で有効」であることや、福祉の視点として「地域などで開催することでコミュニティの活性化に寄与する」ことや、自助力だけでなく「共助力の向上にも有効」なことが示唆された。上記の知見については、日本福祉大学全学教育センター紀要での報告をはじめ、日本福祉教育・ボランティア学習学会で発表を行い、成果の社会還元を行った。 【防災ゲーム】に関しては、コロナ以前の実践があり、有用なプログラムとして完成していると言える。ただし、「防災ゲームを作るプロセス」を主眼とした内容であり、ゲームを導くファシリテーターが必要であることから一般利用は難しいと考える。また、防災カルタなどのゲームが一般に普及していることもあり、ゲーム性を持った新たなプログラムを開発する必要性も含め検討している状況である。 自助の力を測る【自助志向力尺度の作成】に関して、アンケート調査を行い、尺度を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当該年度で計画していた内容と進捗状況は以下のとおりである。 【防災教育プログラム開発のための基礎的調査】被災経験者への聞き取り、キヤンプと関係がある人への聞き取りとアンケート、大学生への聞き取りとアンケート、試行的実践の開催と参加者に対する聞き取りとアンケートを進めた。得られた知見は2024年度中に学会発表等で報告を行う予定である。 【防災キャンプ・ゲームプログラム実践・検証】検討した防災キャンププログラムを、年齢層・性別・地域などの異なる広い範囲の対象者に対して試験的に展開した。参加者に対して聞き取りやアンケートを行い、効果的なプログラムの検討や課題の抽出を進めている。得られた知見は論文や学会で報告を行った。試行的実践の数が不足しているため、2024年度も継続する。 【避難ルートマップ作成プログラムの開発】試行的実践において、紙媒体等を使用したプログラムを実施した結果、ICTを利用したプログラムの開発の必要性はなく、紙媒体を使ったマップ作りをブラッシュアップして一般化することを選択した。 【自助志向力尺度の開発】尺度項目を検討し、アンケート調査を行った。得られた知見は2024年度中に学会での報告を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策は以下の通りである。 【防災キャンプを中心としたプログラム実践・検証】防災キャンプを中心とした防災教育プログラムに関して、対象を広げつつさらに試行的実践を進め、検証と評価を行い、プログラムの完成を志す。 【自助志向力尺度の作成】尺度の質問肢の検討およびアンケート調査は終了している。作成された尺度を実際に用いて検証を行う予定である。【報告】実践および検証の成果を研究代表者、研究分担者の所属する学会において報告を行い、得られた知見を広く還元する。 【視察と意見交換】検討された防災教育プログラムの内容の検証を目的として、自然災害発生時に必要な知識・技術・道具などの要素の抽出や、プログラムに対する意見交換、自助志向力尺度の効果検証などを目的として、被災地への視察や被災経験者へのインタビューなどを行う。検討していた海外視察は現段階では困難なため中止とする。 【開発されたプログラムの社会還元・普及のための仕組みの検討】本研究で開発された防災教育プログラムを一般に還元するための仕組みとして、ボトルなどに入れて持ち運べる冊子の作成を検討する。また、得られた知見を研究代表者・研究分担者の所属する学会や団体での発表や、論文等での報告を行う。
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