研究課題/領域番号 |
21K18544
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分9:教育学およびその関連分野
|
研究機関 | 上田女子短期大学 |
研究代表者 |
大塚 美奈子 上田女子短期大学, その他部局等, 准教授 (10884398)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | 内言 / 中度・重度知的障害 / 筆談援助法 / 障害特性 / 内面的情報 / 自閉スペクトラム症 / 言語表出過程 / 中度・重度知的障害児者 / コミュニケーション障害 / 表出言語 / QOL / 重度知的障害児者 / 聞き取り調査 / 記録 / 指筆談 / 知的障害者 / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,研究1において指筆談援助法による知的障害児(者)80名の「内言」を記録し,語彙数や文法の観点から実態と比較し,整理する。事例抽出し「内言」から対象者の考えに添った支援を行い,支援前後の行動の変容について分析を行う。研究2において個別データを自閉スペクトラム症,知的障害,肢体不自由等の障害種別に分類しKHcoder(樋口,2014)を用いてテキスト分析し,障害種別の「内言」の言語レベルや特徴を検討する。
|
研究成果の概要 |
中度・重度知的障害児(者)91名を対象に、筆談援助法にて書字した「言いたいこと」の内容を単語レベルで抽出しその特徴を分析した結果、共通して「仲間意識」と「障害受容」について考えていることが示唆された。いずれの障害種別においても抽出語の内容から「自分の考えや言いたいことはあるが、表出する段階でうまくいかない」という特徴があり、表出言語の少ない中度・重度の知的障害児(者)に「内言」がある可能性が推察された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、中度・重度の知的障害児(者)は、健常者と同等の会話をすることが難しいとされてきた。今回、中度・重度知的障害児(者)91名の言いたいことや自分の考えである「内言」を援助付きの書字により読み取り分析した結果、思考の特徴や障害特性についての内面的情報が得られ、自分の中に考えはあるが、表出する過程でのつまずきがあることが推察された。近年、自閉スペクトラム症(ASD)の当事者研究により、内面的情報が得られ支援に重要な役割を果たしているが、ほぼ知的障害のないタイプであり、知的障害のあるASD児(者)の内面情報を得られたことは個に寄り添う支援やQOLの向上にとって意味のあることだと考えられる。
|