研究課題/領域番号 |
21K18552
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川合 伸幸 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (30335062)
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研究分担者 |
鈴木 宏昭 青山学院大学, 教育人間科学部, 教授 (50192620)
米田 英嗣 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (50711595)
嶋田 総太郎 明治大学, 理工学部, 専任教授 (70440138)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 攻撃 / いじめ / 裏切り / プロジェクション(投射) / プロジェクション |
研究開始時の研究の概要 |
親しい人を攻撃対象になることがある。異なる集団の人間を攻撃することは、有史以来いまだに多くの国で行われている。本研究の挑戦は、「それまで仲間であった者を排除、攻撃する対象へと変化する過程」を行動実験と脳計測で確認し、その背景にあるメカニズムをあきらかにすることを目標する。協力から裏切りへと変わる実験や、応援する対象を逆転させる実験などで検証する。また、小学生の友人関係を縦断的に調べることで、仲の良かった友人が疎遠にされているダイナミズムを探求し、身内を攻撃に転じる心理メカニズムの解明を目標とする。
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研究成果の概要 |
学校のいじめ件数が増加している。裏切りや排除されたときの心理・生理反応を調べた。共同作業の途中から排除されても血圧・心拍は変化しないとされてきたが、排除されることで、不快感は高まり、全末梢血管抵抗値は上昇し、心拍出量は低下し、凍結反応を示した。これらが相殺されたために,その積である血圧は変化しなかったと考えられる。 いじめの抑止には、被害者への共感性だけでなく、加害者の心情理解の把握も必要である。登場人物が善人か悪人か、あるいは結末にかかわらず、マキャベリズム得点が高いほど、登場人物の心情を理解でき、共感できた。いじめの抑止には、マキャベリズムの視点も考慮に入れることが必要と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の学校でのいじめ件数は増加している。本来、助け合うべき身内や同級生からの攻撃や暴力が多いという状況の解決は社会的に重要である。本研究では、裏切や排斥を経験した状況での心理・生理学的変化を調べた。その結果、先行研究では排除されても血行動態変化は変化しないとされてきたが、その背景にある全末梢血管抵抗値と(血液の)心拍出量を調べたところ、全末梢血管抵抗値は高まり心拍出量が低下することで、一般的に調べられる血圧に変化が見られないことが明らかになった。排除によってストレスを感じていることが示された。
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