研究課題/領域番号 |
21K18555
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
齋木 潤 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (60283470)
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研究分担者 |
内田 由紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (60411831)
阪上 雅昭 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (70202083)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 集団問題解決 / 探索行動 / 共有資源管理課題 / 協力 / コミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
有限の資源を共有する状況では個人の利益と集団の利益の矛盾と調整の問題が発生する。こうした状況で協力行動を促進するための方策を見出すには、個人の特性、環境の状態、個人間のコミュニケーションからなる複雑な状態遷移を深く理解する必要がある。このため、本研究では、共有資源管理課題という集団探索課題を用いて、課題解決時の環境変動、コミュニケーション、個人の内部状態を測定してその関連を検討する。その結果から、集団問題解決における協力の創発機序の理論的な理解と、協力を促進するために必要な諸要因に関する指針を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
探索行動における協力の創発のダイナミクスを検討するために共有資源管理課題を用いた実験を行った。先行研究では、協力の創発にはコミュニケーションと罰が重要であることが示唆されているが、探索行動や個人間の相互作用の詳細、また、環境ダイナミクスの自発的な学習可能性は不明である。これらを明らかにするために、この課題を1人で実施する実験、2人で実施する実験を行った結果、環境のダイナミクスは自身の行動の最適性に関するフィードバックがあれば学習可能であること、2人で課題を実施する場合、協力するというゴールが明示・共有されていればコミュニケーションなしでも最適な探索方略の学習が可能であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
共有資源管理課題を用いた研究は、個人の利益と集団の利益の調整が必要になる状況において、協力行動が創発するための条件の理解を目指している。本研究は、現実場面でも起こりうる環境ダイナミクスを学習しなければならない状況を検討し、最適行動に関する目安をフィードバックする必要があること、協力というゴールが共有されていれば最適行動の学習にコミュニケーションが必須ではないことを明らかにした。これらの結果は、現実場面において協力行動を導くための新たな指針に関する手掛かりを与えるものであり、協力行動に関する学術研究、現実場面における様々な社会課題の解決の双方にとって意義のあるものである。
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