研究課題/領域番号 |
21K18557
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分10:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小澤 貴明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (90625352)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 共感性 / 嫌悪 / 報酬 / ドーパミン / 共感 / シャーデンフロイデ / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
共感能力はヒトが集団として生存し,発展する上で必須の能力である。ヒトは他者の幸福に対して同じように喜ぶこともあれば(共感的喜び),妬むこともある。また,他者の不幸に対して共に悲しむこともあれば(共感的悲しみ),他者の不幸を喜ぶことさえある(シャーデンフロイデ)。本研究は,モデル動物を用いて,個々人を取り巻く社会的環境と他者の幸不幸に対する共感性についての基本的傾向の関係性について調べる。
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研究成果の概要 |
共感能力はヒトが集団として生存し、発展する上で必須の能力である。ヒトは他者の幸福に対して同じように喜ぶこともあれば(共感的喜び)、妬むこともある。また、他者の不幸に対して共に悲しむこともあれば(共感的悲しみ)、他者の不幸を喜ぶことさえある(シャーデンフロイデ)。本研究は、集団飼育環境で育ったマウスを対象とし、観察恐怖学習課題中のマウスの脳内報酬系の活動をリアルタイム記録することで、共感性の脳内メカニズムについて検討した。一連の研究の結果、脳内報酬系の活動減少が共感的悲しみの制御に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物を用いた共感性研究において、他個体が感じる苦痛に対して忌避を示すという、共感的悲しみに関する報告が多くなされてきた。本研究は、独自の他者行動観察課題と、ドーパミン計測を指標としたマウスの情動変化の評価を組み合わせることにより、他個体が直接的に苦痛を感じている時だけでなく、その出来事を予測する別の刺激に対しても、観察側のマウスが負の情動感染を示すことを明らかにすることができた。本研究の結果は、他人の気持ちに対する想像性の欠如が一因となる誹謗中傷やいじめといった社会問題の解決や、共感性の変化と関連した精神疾患の治療に貢献しうる前臨床研究として重要な意義がある。
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