研究課題/領域番号 |
21K18575
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分11:代数学、幾何学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植田 一石 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (60432465)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 非可換代数幾何学 / モジュライ空間 / ホモロジー的ミラー対称性 / 特異点 / 楕円種数 |
研究開始時の研究の概要 |
代数幾何学と可積分系はともに長い歴史を持ち、それらの間には様々な関係が知られている。一方、非可換代数幾何学は、代数幾何学と可換環の関係を非可換環に拡張することによって、代数多様体の概念を量子化することを目指す、比較的新しい分野である。非可換代数多様体は集合ではなく圏であり、代数多様体の上の連接層のなすAbel圏や、その導来圏として得られる微分次数圏の一般化を与える。本研究では、非可換代数幾何学の可積分系への応用や、非可換代数多様体上の力学系の研究に取り組む。
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研究成果の概要 |
標識付き非可換3次曲面のコンパクトなモジュライ空間を箙の関係式のモジュライ空間の幾何学的不変式論的なコンパクト化として定義し、それが8次元の射影的トーリック多様体であって、射影平面上の一般の6点の配置空間を余次元4の局所閉部分多様体として含んでいる事を証明した。また、あるクラスのBrieskorn-Pham特異点のMilnorファイバーに対して、巻深谷圏やRabinowitz深谷圏を適当な群作用に関する同変行列因子化の圏と同定するホモロジー的ミラー予想や、深谷圏のHochschildコホモロジーとシンプレクティックコホモロジーが同型であるというSeidelの予想を証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非可換射影平面と非可換2次曲面の概念はArtin-Tate-Van den BerghとVan den Berghによって1990年と2011年に出版された論文で確立されたが、我々の結果は非可換3次曲面やより一般の非可換del Pezzo曲面の概念を確立するものであり、今後の発展の基礎となる重要なものである。また、Milnorファイバーの巻深谷圏やRabinowitz深谷圏に対するホモロジー的ミラー対称性は、有限次元代数の表現論や団代数の理論など、数学の他の分野とも関係が深い。
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