研究課題/領域番号 |
21K18584
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
齊木 吉隆 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20433740)
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研究分担者 |
小野崎 保 立正大学, 経済学部, 教授 (10233595)
武藤 誠 日本大学, 経済学部, 助教 (50898351)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 景気変動 / 機械学習 / 時系列解析 / データ駆動モデリング / 力学系 / 数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
一国の経済変動は多くの経済主体(政府、企業、家計、諸外国等)による集団現象である上に、決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それが定量的な決定論的モデリングを困難にさせてきた。高周波の振る舞いは主に確率的なものであり、低周波の振る舞いは主に構造変化等によるものである。中周波の振る舞いはマクロ的な振る舞いを示す決定論的なものが主であり、再帰性の高いダイナミクスを示していると期待できる。本研究では、中周波の振る舞いに着目した機械学習をおこない、これまで存在しなかった定量的な決定論的経済変動モデルの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
一国の経済変動は多くの経済主体(政府、企業、家計、諸外国等)による集団現象である上に、決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それが定量的な決定論的モデリングを困難にさせてきた。高周波の振る舞いは主に確率的なものであり、低周波の振る舞いは主に構造変化等によるものである。中周波の振る舞いはマクロ的な振る舞いを示す決定論的なものが主であり、再帰性の高いダイナミクスを示していると期待できる。本研究では、中周波の振る舞いに着目した機械学習をおこない、これまで存在しなかった定量的な決定論的経済変動モデルの構築を目指している。一国の経済変動に含まれる決定論的な要素と確率論的な要素の双方に由来する部分と、政策や制度の変更等、構造変化に由来する部分が入り混じっており、それらの分離が鍵となる。2022年度は、経済変動に見られる中周波の振る舞いから決定論的構造を見出す研究に関して、研究代表者と研究分担者2名の計3名で執筆した共著論文が査読付き国際誌であるApplied Economicsに採択されて出版された。そこでは、日本の地域別景気指標である都道府県別鉱工業生産指数ならびにアメリカ合衆国の地域別景気指標である州別CIの月次時系列データ解析に取り組み、地域別景気指標の時系列をヒルベルト変換することで複素化し、時々刻々の位相を定義することによって同期レベルの推移を明らかにした。そして、その同期レベルの大小が景気の上昇下降と関係することを見出している。また、複数の為替時系列データの間の数週間から数か月のタイムスケールに見られる同期構造も同様な手法で明らかにして論文執筆を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本とアメリカ合衆国における地域景気変動をあらわす代表的な指数の時系列に見られる同期レベルの推移が景気状況(上昇局面と下降局面)で特徴づけられることを示した論文が出版された。
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今後の研究の推進方策 |
為替時系列において数週間から数か月程度のタイムスケールに見られる決定論的ダイナミクスに関する論文の採択を目指すとともに、マクロ経済時系列のデータ駆動モデリングを試みる。
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