研究課題/領域番号 |
21K18585
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分12:解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
竹村 彰通 滋賀大学, 役員, 学長 (10171670)
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研究分担者 |
宮部 賢志 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (00583866)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 確率微分方程式 / マルチンゲール / オルンシュタイン=ウーレンベック過程 / ゲーム論的確率論 / 確率論 / 数理統計学 / 計算可能解析学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではモデルフリーの数理ファイナンスの理論の構築を目的とする.株などの金融資産の価格は予測の難しい複雑な動きをするが,価格の動きのモデル化としては確率微分方程式を使うのが一般的である.しかし,なぜ価格はランダムに動くのかを考えると,ゲーム論的確率論の枠組みが有用になる.本研究では,ゲーム論的確率論の観点から確率微分方程式を取り扱うことにより,パスごとでの確率微分方程式の解の性質を明らかにするとともに,その離散版との誤差を解析する.
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研究実績の概要 |
本年度の研究ではオルンシュタイン=ウーレンベック過程を近似する離散マルチンゲールを与えた。本研究の主題であるゲーム論的確率論では、様々な確率論の定理に対し、表立って測度を使うことなく、具体的なマルチンゲールを構成することで証明を与える。オルンシュタイン=ウーレンベック過程などの確率微分方程式は確率論において主要なトピックの1つであり、これまで多くの研究がなされてきた。そのような連続時間を含む主張に対して、ゲーム論的確率論では離散マルチンゲールの極限を用いる。一般の確率微分方程式に対応する離散マルチンゲールの構成方法についてはこれまで知られていなかった。最近は連続時間確率過程の1つであるオルンシュタイン=ウーレンベック過程に対応する具体的な離散マルチンゲールを与える研究に取り組んでいる。具体的には二項係数の逆数の和を使ったマルチンゲールや,その和として書けるマルチンゲールなどが対応することを示した。更にこれらの手法を使ってEFKP型の重複対数の法則のSharpnessが導かれることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はランダムウォークおよびブラウン運動の発散速度をゲーム論的確率論において示すのに有用な離散マルチンゲールを具体的に与えることに成功した。特に二項係数の逆数の和を使ったマルチンゲールは広い応用範囲を持つと期待している。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度得られた離散マルチンゲールに関する結果を使って、EFKP型の重複対数の法則のvalidityの方が導かれることを確認する。またその発散速度を解析することにより、アルゴリズム的ランダムネスの理論における計算可能ランダム性およびSchnorrランダム性とEFKP型重複対数の関係を明らかにする。
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