研究課題/領域番号 |
21K18592
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大塚 朋廣 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (50588019)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 量子ドット / ナノ・マイクロデバイス / デコヒーレンス / 量子情報 / 量子センシング |
研究開始時の研究の概要 |
現実世界の量子系においては、量子状態が壊れるデコヒーレンスが存在し、量子系を活用していく上での問題となっている。しかしデコヒーレンスをうまく利用すれば、有用な量子技術の要素として活用できる可能性もある。そこで本研究では、操作性の良い、強いデコヒーレンスを導入可能である半導体量子ドット系を用いて、デコヒーレンスについてその物理解明を進める。そしてこの知見を元に、量子センシングや量子情報処理に向けたデコヒーレンスを活用した量子技術を研究する。
|
研究実績の概要 |
量子状態が壊れてしまうデコヒーレンスは、現状の現実世界の量子系では避けることができず、量子系の活用において問題となっている。しかし、もしこのデコヒーレンスをうまく利用できれば、有用な量子技術の要素として活用できる可能性もある。本研究では、操作性の良いデコヒーレンスを導入可能である半導体量子ドット系を用いて、デコヒーレンスについての物理解明を進め、これを活用した量子技術について研究している。本年度は特に半導体量子ドット系を用いた測定、解析を中心に研究を行った。 半導体中の電子を微小領域に閉じ込めた半導体量子ドットでは、その内部に電圧等で人工的に制御できる量子状態が形成され、さらにこの状態を電気測定により検出することが可能である。そこでこの半導体量子ドットを用いた実験系を活用し、その内部の電子状態遷移等の測定、解析を進めた。またこの際、電子相関が影響する現象についても調べた。これらの結果を理論、シミュレーションと組み合わせることによって、そのミクロな物理解明を進めるとともに、デコヒーレンスの量子技術要素としての活用手法の研究を行った。またデコヒーレンスに関するパラメータには材料に依存するものがあるため、半導体量子ドット系材料の改善についても、引き続き取り組みを行った。さらに量子技術としての活用を進める際には、高速な測定やその結果に基づく制御等が有用となるが、これらの技術についても開発を行った。これらの成果は、量子技術の発展に向けて有用になると期待される。
|