研究課題/領域番号 |
21K18609
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
松波 雅治 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30415301)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 重い電子系 / 熱電材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では重い電子系の特性を活かした革新的熱電デバイスの創製に挑戦する.重い電子系は,高い熱電出力因子が得られるにも関わらず,熱伝導度の低減が困難なために熱電材料としての実用化は進んでいない.この現状に対する逆転の発想として,本研究では,熱伝導度が影響しない,あるいはむしろ高い熱伝導度が必要な熱電デバイスである「①熱電池」と「②能動冷却素子」に注目し,これらに重い電子系を適用する.重い電子系の熱電特性を最適化することにより,既存の材料を凌駕する性能を有する熱電デバイスを開発する.
|
研究実績の概要 |
本研究は重い電子系の特性を活かした革新的熱電デバイスの創製に挑戦するものである.重い電子系は高い熱電出力因子が得られるにも拘わらず熱伝導度の低減が困難なために熱電材料としての実用化は進んでいない.この現状に対する逆転の発想として,本研究では熱伝導度が影響しない熱電デバイスに重い電子系の熱電特性を最適化することにより,既存の材料を凌駕する性能を有する熱電デバイスを開発することを目標としている. 本年度は昨年度から引き続き新しい重い電子系熱電デバイスの候補物質となるYbB6の試料作製に取り組んだ.YbB6においてはYbとBを化学量論比から僅かにずらすことによって極性を制御できることが知られており,様々な熱電デバイスへの応用が期待できるが,その詳しいメカニズムはよくわかっていない.これを理解するためには,組成比を制御したYbB6試料の高品質な単結晶をフラックス法を用いて作製し,その熱電特性を基礎物性や電子構造と関連付けて調べる必要がある.昨年度はn型試料の作製に成功し,その結果から従来の熱電材料の性能を凌駕する性能が得られることを発見した.今年度はp型組成の単結晶の作製に取り組んだが,真空電気炉の故障や不調などにより思ったようには進まなかった.また試行回数がまだ足りていない可能性はあるが,当該試料のp型組成をフラックス法で作製することは予想したほど容易でないことも判明した.以上のことから現段階ではYbB6の単結晶におけるYb/B比の精密制御に関してはp型においては残念ながら達成できていない.
|