研究課題/領域番号 |
21K18610
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分13:物性物理学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 (2022) 国立研究開発法人産業技術総合研究所 (2021) |
研究代表者 |
灘 浩樹 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (90357682)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 計算科学 / 拡張サンプリング法 / 分子シミュレーション / 結晶成長 / イオン液体 / 複雑液体 / 結晶化 / 構造探索 / メタダイナミクス / 計算物理 / 結晶相転移 / 物質探索 |
研究開始時の研究の概要 |
新しい半導体材料やセラミックス材料の探索は今や第一原理計算により作成したデータベースを活用するなど”計算機”で行う時代に入っているが、特殊な構造や機能を示す未知の相が多く潜んでいる高分子、ポリペプチド、液晶など複雑な分子やイオンの集合系に対しては、計算負荷が膨大になるためそのようなデータベースを作成できない。本研究では、メタダイナミクス法と呼ばれる計算科学手法の研究に取り組む。実験追求すら困難なイオン液体の遅い結晶化により出現する構造やその形成経路を明らかにし、この手法により複雑なイオンや分子の集合系に潜む未知の物質の理論探索が可能なことを実証する。
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研究成果の概要 |
高分子やポリペプチド、化合物など複雑な分子やイオンが集合した系に潜む未だ見つかっていない結晶相やその形成機構を探索する計算科学手法を開発するために、メタダイナミクス法を導入した分子動力学法の研究に取り組んだ。粘性が高いイオン液体に出現する結晶相をこの手法を用いて調べたところ、既知の結晶相とは異なる構造を持つ結晶類似相が自由エネルギー表面の高圧力に相当する領域で検出されるなど、この手法が未知の結晶相やその形成機構の理論探索に有効であることを確信した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の意義は、これまでの材料開発のスタンスが大きく変わることにある。本方法を効果的に活用すれば、出現する相、その形成経路および形成条件まで先行予測できるため、試行錯誤を必要としないピンポイント実験でその相の存在を検証できる。このため、高効率な材料デザイン方法の創出につながる。本方法は、結晶相転移以外の現象、例えば液相中の液液相分離などの研究にも貢献できる。計算機性能が現在より向上すれば、タンパク質などの巨大分子集団系の研究などに対しても適用できるなど、広く波及する。
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