研究課題/領域番号 |
21K18612
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡理工科大学 (2022) 東北大学 (2021) |
研究代表者 |
佃 諭志 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (00451633)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 量子ドット / シンチレータ / コアシェル構造 |
研究開始時の研究の概要 |
従来のシンチレータ材料は、放射線に対する発光効率が低いことが問題であり、吸収したエネルギーを高効率で光に変換するシンチレータ材料が強く望まれている。本研究では、厚いシェルを有し、準Type-II型と呼ばれるバンドオフセット構造を持つコアシェル量子ドットに注目し、厚いシェルで放射線を吸収し、中心に位置するコアで発光させることで、吸収したエネルギーを効率良く光として放出可能な高感度シンチレータの開発を目指す。
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研究成果の概要 |
半導体量子ドットは、量子サイズ効果により発光波長を変えることができる材料である。また、量子ドットを別の半導体で被覆したコアシェル量子ドットは、高い蛍光量子収率を示すことが知られている。本研究では、コアシェル量子ドットを利用した高効率のシンチレータ材料の開発に取り組んだ。特に伝導体のエネルギー差が小さい準Type-IIコアシェル構造に着目し、シェルを十分に厚くした巨大シェルを有するCdSe/CdSコアシェル量子ドットを合成することで、既存のType-Iのようにコア部で放射線の吸収と発光を完結するのではなく、シェルで放射線を吸収し、コアで発光する機構を有した新たなシンチレータ材料の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
巨大シェル準Type-IIコアシェル量子ドットは、既存の量子ドットとは異なり、吸収と発光を空間的に分離したシンチレーション機構を示すため、高効率のシンチレータ材料の開発が期待できる。また、ナノ材料であるため、プラスチックシンチレータに混ぜ込むなどの加工の容易さや、放射線がん治療でのリアルタイムモニタリングなどの生体内での利用と極めて汎用性の高い材料である。そのため応用展開は、正確な放射線計測技術の需要が高い環境、医療、食品など他分野に広がっているため、本研究成果の波及効果は非常に高い。
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