研究課題/領域番号 |
21K18615
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分14:プラズマ学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
野崎 智洋 東京工業大学, 工学院, 教授 (90283283)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | プラズマ化学 / プラズマ触媒 / カーボンリサイクル / 炭素循環 / カーボンニュートラル / 二酸化炭素 / メタノール / メタン / 触媒反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本提案では,プラズマを使って振動励起CO2に着目し,これを触媒に作用させることで常温でメタノールを高速合成する非熱的触媒反応を開拓する。実験では,メタノール合成で多用されるCu/ZnO触媒を用いる。CO2を振動励起させるために,オゾン合成法で実績が豊富な誘電体バリア放電を用いてプラズマ触媒反応器を構築し,Eley-Rideal機構に基づく常温メタノール合成を実証する。次年度の研究では,CO2振動励起の高効率化にも焦点をあて,高周波プラズマを適用してCO2からメタノール直接合成を高度化する。プラズマが作用している触媒反応を直接観察するoperando赤外吸収分光分析により反応機構を解明する。
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研究成果の概要 |
非平衡プラズマを用いてCO2を振動励起することで,触媒上で炭酸塩またはフォルメートを生成する速度が速くなることを明らかにした。中間体をメタノールに転換するために,多様な元素と合金化できるNi合金触媒(NiM/Al2O3: M = Zn,Ga,In)を開発し,CO2転換に対する活性を維持しながらメタノールの高速合成を実現する高活性合金触媒のスクリーニングを行った。NiGaではCO2転換率に対する低温活性化だけでなくプラズマによって低温でメタノール選択率が上昇し約30%に達することに成功した。プラズマは反応活性を高めるだけでなく反応選択性を制御する機能を有することを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学反応プロセスの多くは熱エネルギーの大量消費のうえに成り立っており,革新的な省エネルギー,環境負荷低減を実現するうえで大きな改善が要求されている。本研究では,プラズマによって振動励起されたCO2が水素化される触媒反応を実現し,CO2からメタノール(CH3OH)を高速合成するプラズマ触媒反応の基盤となる合金触媒の開発に成功した。この技術を用いることにより,再生可能エネルギーを用いた電子駆動触媒反応制御が可能となり,熱エネルギー利用から脱却したCO2利用技術および低炭素社会の早期実現に貢献することができる。
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