研究課題/領域番号 |
21K18656
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分17:地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター (2022) 岡山大学 (2021) |
研究代表者 |
辻野 典秀 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 回折・散乱推進室, テニュアトラック研究員 (20633093)
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研究分担者 |
山崎 大輔 岡山大学, 惑星物質研究所, 准教授 (90346693)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ボロン添加ダイヤモンド / 快削性 / 高温高圧 / 融解実験 / 地球マントル / ボロンドープダイヤモンド / ヒーター / 快切削性 |
研究開始時の研究の概要 |
2004年には当時発生可能な最高圧力に近い35万気圧までの融解実験が報告された。しかし、さらなる高圧力化の融解実験に適した高温発生用ヒーター材の開発が進まなかったため、その後の融解実験の圧力上限は拡大されていない。そこで、本研究ではボロン添加ダイヤモンド(BDD)が高融点かつ温度上昇と共に電気抵抗が低くなるような半導体特性を持つことに注目する。新たなヒーター材として加熱の安定性と形状加工の際の快削性とを兼ね揃えたBDD焼結技術を確立することで、40万気圧を超える圧力条件下でも現在の地温勾配を優に超える高温でのマントル物質の融解実験を行なえるようにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
川井式高圧発生装置を用いた地球下部マントル以深の圧力条件でのマントル物質の融解実験を安定して行えるヒーター材を開発するため、本研究では高融点かつ半導体特性を持つボロン添加ダイヤモンド(BDD)の快削性のある焼結体の合成方法の確立を行った。本研究により得られたBDD焼結体はNC加工機等の切削工具により微細加工が可能であることが確認されるとともに、下部マントル圧力条件下で3000 K以上の高温発生が達成可能であること、圧力の発生効率に大きな影響を与えないことが確認された。また、テストとして、25万気圧でのフォルステライト組成の融解実験を実施し、その融解が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球内部を含むこれまでの地球の進化を紐解くことは、我々が住む地球の環境が今後どのように変化するのかを知る上で重要な手掛かりとなる。本研究では、地球形成初期に起きたとされる大規模熔融状態であった地球が冷却とともにどのように進化してきたのかを実験的に明らかにするための基盤を形成するものである。また、本研究では、半導体ダイヤモンドを真空または大気圧下で化学反応(原子拡散)によって合成できることを示しており、新規の材料開発の面においても非常に大きい意義を持つものである。
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