研究課題/領域番号 |
21K18665
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分18:材料力学、生産工学、設計工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 英生 東北大学, 工学研究科, 教授 (90361112)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ひずみ / グラフェン / 分子吸着 / バイオセンサ / 界面制御 / 歪み |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではグラフェンナノリボン表面の歪み状態を制御することで,特定の分子の吸着あるいは脱離特性を可逆的に変化させる技術を確立する.またグラフェンナノリボン表面に特定の分子吸着を制御する機能性分子と表面保護皮膜をコーティングし,気体あるいは液体中に存在する当該分子の選択的検出を可能とする基本技術も構築する.これにより,マルチ分子選択センサ開発に向けた歪み制御多機能バイオセンサ開発の基盤技術の構築を図る.
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研究成果の概要 |
第一原理解析を応用しグラフェンのガス分子吸着性能を律速する構造因子として,基板材質と歪の影響を定量的に明らかにした.特に基板材質に依存し堆積したグラフェンの電気伝導特性が電子伝導型から正孔伝導型まで大きく変化することを明らかした.また,グラフェン表面のガス分子吸着特性を向上させる触媒としてCNTを安定して成長させる薄膜プロセスも開発した.本試作デバイスにNO2ガスを吸着させ,歪み制御により吸着エネルギーを約15 meV/1%-strainの感度で制御できることを確認実証した.以上より歪み制御による特定ガス分子の吸着脱離特性制御によるマルチガス選択機能を有するセンサの開発可能性を実証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CNT-グラフェンハイブリッドセンサはグラフェン単体センサより約6倍の感度向上と約5倍の脱離速度を有することを実証し,センサの高性能化に向けた設計指針を構築できた.またグラフェンの電気抵抗率変化の歪み依存性をシリコンデバイス比約1000倍にまで向上させることもでき,超高感度歪みセンサへの応用可能性も示した.本研究成果の独創性や工学的有用性などは国内外の学会賞の受賞などでも評価されている.これにより危険環境中の有害物質検出や,人体の体液や血液中の目標分子の存在や濃度を高感度で定量的に検出可能なマルチ分子選択センサ開発に向けた歪み制御多機能バイオセンサ開発の基盤技術の構築ができたものと考えている.
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